俊太郎ファンも満足のはず 遊戯祭17『それを聴いたとき、』

●脚本が大変よくまとまっており、演出の曖昧さもなく、完成された作品。脚本家と演出家が別であることの成功例といえそう。谷川修太郎モチーフの作品として、遊戯祭を離れても成立する構成。シンプルだが工夫されておりセンスを感じる美術。カラフルな衣装も映える。高低差を付けた人の配置もうまい。キャンバスとなるスクリーンの二段設置もいい。

●就活&自分探しの悩みが、社会にでてXX年の私からは遠すぎて、物語に共感はできなかった。「人のために働きたい」って、働くってそもそもそういう意味よ、そしてそれが大変で難しいのよ…。よくできているだけに、ちょっと人物が表面的な感じが。好みの問題として。

●付け焼き刃の知識をコピペで喋る演出が好き。全体に、ギャグは若干滑り気味だったが謎のインド人(?)がいい仕事をしていた。

●まきの服装が「できる女風」なのが、性格設定と合わない気が。狙ってるにしてもわかりにくい。色も曖昧なグレーからきっぱりオレンジに変化させるとか、ラストの「何ものにもまだ染まらない」につながる白とかでいいのでは。あと、カーディガンがずっと気になってましたね? だから私も気になりました(笑)。

30日午前観劇

text by 瞑想子

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