詩情と緊張感 遊戯祭17・むらかみなお×徳永萌『20㎡の胞』

●抽象性と緊張感のある世界づくりに挑戦した姿勢に好感が持てた。冒頭からの噛み合わない感じの演出がいい。ダンスもナイスチャレンジ。遊戯祭三作品のうち最も詩的な言葉を使い、詩情にアプローチしているように感じた。トランクからの登場もイメージが素敵。

●思春期独特の純粋さとどうにもならない衝動、それが生む同性愛的な独占欲、かと思えば同性愛、煮込んで食べたり食べられたりしたい愛、殺したい愛、友達になんかなりたくない愛。愛というよりつまり孤独のなせる技、という展開。元の詩を思うと、はろばろとした孤独ではないのが個人的には残念。

●カバンからのダンスは登場に柔らかさがほしかった!惜しい。ベールの場面は綺麗だった。父の登場は、身体に緊張感があってインパクトあり。が、リスカするにしては強く熱いキャラなのが違和感。ケイもちょっとキャラずれのような。個々の出来はともかく、物語全体からみてチューニングが合ってないような。

29日午前観劇

text by 瞑想子

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