馬は出てきません…道産子男闘呼倶楽部『漢達の輓曳競馬』

東京出張が一月に半分以上あった頃、夜はほとんど芝居を観ていました。中でも、蓬莱竜太の「モダンスイマー」の劇風と役者が好きでした。津村知与支は好きなタイプの役者です。登別出身とは知りませんでした。扉座の個性派、犬飼淳治は札幌出身だそうです。それに紅一点で作・演出のニシオカ・ト・ニールも札幌っ子とは。で、道産子でなんかやってみようよ!という理由かどうかは分かりませんが、このユニットの立ち上げになったようです。

クビになって警備のアルバイトで食い扶持をしのいでいる男が偶然にホームレスしていた同級生と出会って一緒に住むようになる話。冒頭のなわとびで惹きつけられるものがありました。暗転が多い芝居で時制もあっちこっちにいったりするのですが、破綻しないのは役者力ということでしょうか。

テンポ良く段々と男たちの立場が微妙に入れ替わっていく様子が描かれるのですが、どうも既視感がありました。それと、ガールフレンド云々って劇の内容が少し古くないですか。お芝居のリフレットは宣伝進行が早いのですが、タイトルと内容が違いすぎ。それは良いとしても、あそこで唐突に輓曳競馬の話はないと思います。津村は声が枯れていたのでは。少し聞きずらい台詞もありました。手練れの役者の力量でフィニッシュしましたが、うーん、な一作。第二作でリベンジして下さいね。

(4/16(日) 楽日)

text by しのぴー

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