BLOCH-REVIVE「トキハナ」をBLOCHにて。上演前に、今は少し寒いと思いますが、始まると熱気が客席に伝わりますから暑くなります、と言われたけど、全くその通り。熱気と言葉の奔流が客席を襲い、乗り遅れたようになってしまった。ただ昔の脚本だということだけど古くは感じませんでした。
出演者は、みんなハマっている感じ。田中さんの悪役ぶり、熊谷さんのぶっ飛んだキャラが良かった。仲野さんも出番が多いとは言えなかったけど、印象に残りました。あと被り物を除けば、一番目立っていたのは久保さんではないかと。独自のキャラを確立している人は強い。
社会を象徴するような島から脱出しようともがく姿は、若者が社会に挑戦し、そして多くが敗れるというものを描いているのではないかと感じました。その状況が、初演時から変わらない、むしろ悪化しているように思えるから、今の物語として受け止められるのかも。
心が折れていた者が、再び挑戦しようとする姿は、どんな物語でも感動的。劇中に出てくる言葉ではないけど「決して倒れない事が誇りなのではない。倒れても再び立ち上がる事こそが誇りなのだ」なんて言葉が観劇中頭をよぎりました。挑戦しようとする姿は美しい。(感傷的すぎますが)
- 2017/06/03 13:00
- BLOCH
- 約1時間15分
text by 小針幸弘