追い詰められて行く姿が 劇団B-stage『売り言葉』

劇団B-stage「売り言葉」をラグリグラ劇場にて。高村光太郎の妻智恵子の少女時代から描いた一人芝居(って、私以外の人は多分みんな知っているんだろうな)。少女時代の快活さが年を経るに従って失われて行き、夫の言葉でがんじがらめにされて行く姿が哀しい。劇場が小さく、舞台と近い事もあり、迫力がありました。
途中で流れるニュース音声も、時代の区切りが感じられるもの。それと同時に、明るく、自分達を信じて進んでいた明治政府が、自縄自縛に陥り、暗く変容して行く姿を、智恵子が体現しているかのようにも感じられました。まあ、多分に司馬遼太郎史観に毒されたものですが。

  • 2017/06/10 14:00
  • ラグリグラ劇場
  • 約1時間20分

text by 小針幸弘

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