食材色々 札幌学生対校演劇祭 第8章『芝居御膳』

札幌学生対校演劇祭 第8章「芝居御膳」をサンピアザ劇場にて。

以下、ネチネチした感想が続きます。


(A)/「トモグイ」。3つの話が併行していて、タクシーの客の過去話を横で展開していると思って見ていたんだけど、違うんだろうか。あまり自信がありません。悲惨な話が続くなか、ラストの交流で救われた気がするけど、ほんの僅かなもの。
(A)/「KARELU」。話している二人と喋らない店員さんという事で、最後に店員さんが何かかましてくると期待したんだけど、ハズレでした。ラストを見ると、あのお店自体が虚構なんじゃないかとも思えてきたり、頭の中で色々捻ってみたくなるお話でした。
(A)/「恋する男女」。男女と書いておとめ。LGBTのうちいくつかが絡んでくる話だけど、コメディ要素として消費しているのみ。マツコデラックスみたいな人が反則級の大暴れ。ラストは、やられてみれば「ああ」となるもので面白かった。
(A)/「パンケーキ・パンデミック」。SNSへの投稿をネタにしたコメディで面白かった。特に女子会は大笑い。女子大生自身による自虐ネタだからこその笑いですね。いいだけ笑わせておいて、最後に実は…となるのだけど、うまいなと思いました。

  • 2017/06/17 14:30
  • サンピアザ劇場
  • 1時間50分(20分×4、間に休憩時間10分)

(B)/「(株)虫歯建設」。設定は面白いけど、長編ドラマの冒頭だけ見せられたような印象。天文台の話とか、話が色々と膨らみそうなのに、少し残念。最後は歯磨きでやられたという事なんだろうけど、今ひとつよくわかりませんでした。
(B)/「ショクザイ」。タイトルを見てわかる通りダブルミーニング。ソイレントグリーン的な世界だったので、実は錠剤は…という話かと思ったら、はっきりした描写はなし。ラストがそれを示唆しているのかもしれないけど、はっきりとはわからなかった。
(B)/「カREーライス」。パプリカに対するいじめを笑っている図式になってしまうので、笑いながら少し罪悪感が。まあ、最後はいじめていた側も、仲良く混ぜられてしまったので、お話的には因果応報みたいなものか。ジャガイモさんは存在感がありました。
(B)/「隣の弁当は旨い」。着ぐるみバックダンサーの控え室のドタバタ。トラブルメーカーの悪びれなさにイラッとするけど、バカっぽいからいいかとも思えてくる。キャラクターがうまくできてるのかな。森のクマさんの歌詞で終わるラストは面白かった。

  • 2017/06/18 11:00
  • サンピアザ劇場
  • 1時間50分(20分×4、間に休憩時間10分)

(C)/「グリーンピースがのみこめない」。当然なのかもしれませんが、久保さんが出てくるだけで面白い。それだけで彼の番組に出ることがステータスという部分に説得力が。芸人と女優のいい話だけど、マネージャー以外は変な人ばかり。ほっこりとした終わり方。
(C)/「パラレルフリッジ」。人間が立ち去った後、物陰から出てくる野菜たちが可愛い。野菜が女性で、食べられたいという願いは同じだけど、人間になりたい(同化したい)派と自分を失いたくない派に分かれるのは、結婚関連の議論に似ている気もする。
(C)/「ランプの魔神」。ADさんの冒頭の台詞で大笑い。今まで見えなかったものが見えるようになったというところで、ADさんが実は死んでいるんじゃないかと思ったりもしたのですが、考えすぎでした。最後はいい話風に見えたけど、これでよかったのかな。
(C)/「熱血!パン食い競走部」。熱血系の運動部ドラマのコメディで、面白かったです。吹っ飛び方とか、巨人の星的な部員同士の熱い抱擁とか、笑いどころが満載。ただ、どうしても教文短編で観たわんわんズのバスケ部の話を思い出してしまうのですが。

  • 2017/06/17 12:00
  • サンピアザ劇場
  • 1時間50分(20分×4、間に休憩時間10分)

text by 小針幸弘

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