戦後期の生活を覗き見 FAP’S企画公演『只ほど高いものはない』

FAP’S企画公演「只ほど高いものはない」をことにパトスにて。昔の名作を忠実に上演しましたという、いつもの作り。もちろん話そのものは面白いし、それがしっかり伝わってくるけど、古いお芝居と感じてしまうのは確か。感覚としては、戦後期の高級官僚の家を覗き見していると言うところ。
出演者は、官僚一家の夫婦と娘はさすがの安定感。女中さんは少し台詞に違和感がある部分があったけど、異分子と言う事でわざとやってようにも見えました。
カーテンコールでは、内容のわりに意外と人数が少ないと感じました。
台詞の中で、今ではほぼ使わないような言い回しや、使っただけで顔をしかめられかねない言葉が出てきて、その度に今観ているのは昔の作品なんだと再認識させられる。初上演時はどんな風に受け止められたのか、少し興味があります。

  • 2017/06/24 18:00
  • ことにパトス
  • 約1時間50分

text by 小針幸弘

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