肉体派だけど静かな話 演劇公社ライトマン『そこは星のあわい』

演劇公社ライトマン「そこは星のあわい」をあけぼA&Cにて。ライトマンらしい真面目な作りで、丁寧に細かいエピソードを積み重ねていく。櫓や町については、よくこんな設定を考えたものだと感心させられる。千葉さんの時折見せる鋭い目と栄養素についてまくし立てる場面も見もの。
セットはきっちり作り込まれ、座席はまた改良されており、ライトマン劇場は今回も快適。稽古場公演の強みを存分に活かした部分が、今後どのように進化していくかも楽しみの一つ。重堂さんの言う通り、アンケートに対して、進化し続ける事で対応しているものね。


雲梯とぶら下がり健康器を活用するあたりは肉体派のライトマンらしい。食べ物も実際に用意してあり、食べる食べる(笑)。しかしあの方法をが主な移動手段だとすると、事故がいつ起きてもおかしくないわけで、前任者の死亡も移動中の事故の可能性が…。
櫓には色々物があるけど、トイレはどうしてるんだろ。あそこになければ、間に合わずに雲梯の途中で、と言うのもあったのかな。最後、男の勘違いはありがちではあるけど、あの言われ方は堪えるだろうな。ラストは各自考えろと言うものだけど、関連はあるかな。

  • 2017/06/24 14:00
  • あけぼのアート&コミュニティセンター 3階9号室
  • 1時間5分

再観。前回Bで今回がDなので、櫓の男が中島さんに替わり、櫓の男だった田村さんがその友人になった格好。話の流れは既に知っているので、今回は櫓とテラスを両方漏れなく見ようとしたけど失敗。次見る時は序盤は櫓の男に集中して見よう。
櫓の男は、田村さんはその風貌もあって山男っぽかったけど、中島さんは飄々としていて、どこか浮世離れした感じ。どちらも胸に突き刺さる一言で落ち込むのは一緒ですが。
やはり演る人によって印象が変わりますね。他のパターンにも行ければいいけど。

  • 2017/06/28 20:00

再観。今回はC。B、Dの配役から田村さんが抜けた格好。最初のあたり、あえて櫓の側に注目して観たけど、黙って見張っているようで意外と表情が変わっていた。櫓の中のやりとりは、不思議な感じではなく、少し現実よりになった感が。
千葉さんが見せ場で噛んでしまったのが少し残念だけど、最後の場面での表情は、けっこうはっきりと変化をつけていたんですね。山田さんの台詞回しも、微妙に変化していたような気も。最後は何が起きたのか、起きた原因が何なのかを、色々と考えてみている。

  • 2017/06/30 21:00

再観。オーラスはE。議員が山田さんからフレンチさんに替わった結果、体型についての台詞の説得力が少し落ちた、というかツッコミどころになった印象。あとは千秋楽らしく、安定していました。落下時の安全配慮はなかったけど(笑)
最後に何が起こったのか、正解はあるんだろうか。男が精神的にダメージを受けた結果、封印的なものが解けてしまったようにも思えるし、神聖な櫓で悪巧みをしたので、何か起きたようにも思えるし。悪巧みしている二人が幻覚を見ている可能性もあるかも。

  • 2017/07/02 18:00

text by 小針幸弘

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