【特別寄稿】サンピアザ劇場神谷演劇賞は、どうして生まれた? 寄稿者:平田修二

皆さま、サンピアザ劇場神谷演劇賞をご存知ですか? 今日はスペースをお借りして賞が生まれた背景について説明させていただきます。

サンピアザ劇場が改装されたので、演劇にも使いたいと、当時北海道演劇財団常務理事だったボクに、札幌副都心開発公社の福澤さん、宮川さんが相談に来られたのは、2005年だったと思います。そこから演劇に使えるよう設備を改善していただき、次のような企画が始まります。

★サンピアザ劇場プレミアムステージ(2007年から)
第1回は、東京乾電池「長屋紳士録」公演。以後年数作品を公演
副都心開発公社、北海道演劇財団、サンピアザ劇場で芝居を観る会の三者で主催
観る会は、サポートするボランティア組織で神谷忠孝さんが会長

★TGR札幌劇場祭に参加(2007年から)
多くの大賞作品を生み出しました。

★学生演劇公演の中心劇場へ(2008年から)
TGR札幌劇場祭で学生劇団合同公演を行ったのをきっかけに、サンピアザ劇場では、中学校、高校、大学の演劇公演が多く行われるようになりました。

 

さて、神谷忠孝さんは、北大名誉教授で、北海道文学館理事長(当時)で昔から演劇を応援されてきました(札幌演劇座会賞の創設、北海道演劇財団創設への参画など)。サンピアザ劇場からは歩けるところにお住まいで、サンピアザ劇場で演劇公演が盛んになることを大変喜んでくださいました。或る時、何かの演劇公演の後、いつものように新札幌で杯を傾けていた時、「サンピアザ劇場の演劇がもっと盛んになるよう、神谷演劇賞を創ろう、副賞は神谷さんのポケットマネー」ということになってしまいました。

ボクはお酒の勢いで神谷さんをあおった責任があるのですが、昨年までは札幌座プロデューサーでもありましたので、この賞には直接参画していませんでした。札幌座を辞めたので、応援団として、神谷さんの「サンピアザ劇場の演劇を盛んにしたい」という意思の実現のため審査委員にも加わり、こうして文章も書かせていただきました。

これまでの授賞作品(大賞/奨励賞の順)
2011年 千年王國『狼王ロボ』/厚別高校演劇部『夢みる人〜厚別弾薬庫の青春〜』
2012年 座・レラ『不知火の燃ゆ』/北野台中学校演劇部『ある応援団の話』
2013年 千年王國『ローザ・ルクセンブルグ』/伊達緑丘高校演劇部『りんごの木』
2014・15年 厚別高校演劇部『同級生』/32口径『SMIL』(2014年1月から2016年3月まで)
2016年度 札幌座『肝っ玉おっ母とその子どもたち』/ギャルソンモンケ『乙女の祈り』

 

神谷演劇賞は、大賞に副賞十万円、奨励賞に副賞二万円(商品券)が付いています。サンピアザ劇場で演劇公演の申し込みをする時、希望すればエントリーできます。プレミアムステージになるにはちょっとハードルがありますが、選定されますと会場費基本料も免除されます。

この神谷演劇賞、らてるね賞など、個人が演劇を応援して下さることはとても素晴らしいことです。この「札幌観劇人の語り場」をそのひとつですね。
劇団の皆様、この制度を活用してサンピアザ劇場で良い演劇を発表してください。

寄稿者:平田修二
演劇プロデューサー/演劇創造都市札幌プロジェクト副会長

text by ゲスト投稿

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