[観劇雑感]神谷演劇賞、表彰式を拝見して

サンピアザ劇場(厚別区)で上演された演劇作品を対象にした〈神谷演劇賞〉。

今年で5回目になるその賞を私が知ったのは、つい最近のことでした。

過去の受賞作の中には観劇した作品もありましたが、その作品が上演後に賞を貰っていたことは知らず…。

厚別在住の一観劇人として恥じ入っていた次第ですが、そんな私が今年の神谷演劇賞の表彰式を覗かせて頂きました。

 

ちなみに今年、10本のエントリーの中から選ばれた受賞作は、

大賞/札幌座『肝っ玉おっ母とその子どもたち』
奨励賞/ELEVEN NINES presents ギャルソンモンケ『乙女の祈り』

となっており、表彰式は役者さんや劇場関係者の方など20人程度が見守る中で行われました。
賞を設立された神谷先生のご挨拶から始まり、受賞した劇団への賞状授与や劇団からの挨拶等、終始和やかな雰囲気ですすみ、「表彰式」と聞いてちょっと身構えていた私でも素直に楽しむことができました。

アットホームな表彰式の中で特に好ましく感じたのは賞状についてですが、味のある文字で手書きされ、中身も定型文ではなく受賞作品の内容に言及した愛情ある文面でした。(賞状の文面で〈お腹が捩れるほど笑わされ〉とは、なかなか目にしないと思います。勿論良い意味で。)

 

サンピアザ劇場は、私が子供の頃は映画館でした。

それがいつの間にか劇場になっていて、劇場になってから何度か足を運んだことがありますが、正直あまり意識していませんでした。身近すぎるせいで、自分の住んでいる地区に〈劇場がある〉という認識が薄いというのが正直なところかもしれません。

それが今回〈神谷演劇賞〉という、個人が劇場を通じて地元の演劇を応援する賞を知り、月並みな言葉ですが、演劇は作る人/演じる人は勿論のこと、観る人/演劇が好きで盛り上げていこうと尽力する人々によって支えられているなぁと改めて感じました。

というか自分のサンピアザ劇場に対する認識を思い返し、もう少し積極的に支える姿勢を持とうと反省しました…。

 

会場には昨年の大賞受賞者である厚別高校演劇部の学生さんがいらしていて、トロフィーを札幌座の方に引き継いでいました。このトロフィーが来年はどの劇団の手に渡るのか、今から楽しみでもあります。

ちなみにこの神谷演劇賞、賞へのエントリーは無料だそうです。

(にも関わらず、大賞・奨励賞ともに副賞があるのですから、なんて太っ腹…)

作る側の皆さん、ぜひ積極的にサンピアザ劇場を利用してみてはいかがでしょうか?

勿論観る側の皆さんも、ですけどね。

text by うめ

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