寄稿者:マサコさん
・週刊少年ジャンプ11冊
・日産ヴェゼルのCM曲「STAY TUNE」が入ったシングル3枚
・1000円追加すれば「水曜日のカンパネラ」のライブに行ける
3000円で購入できるものを並べてみた。札幌演劇シーズンの一般料金と、制作費数十億円とか累計売り上げ枚数10万枚超えのCDなど、そうそうたるものとほぼ同じだ。
「ジャンルが違うから比較できないよ」と批判されそうなので、以下をどうぞ。
・ノゾエ征爾演出の「気づかいルーシー」4000円
・京都の劇団「ヨーロッパ企画」の「来てけつかるべき新世界」3500円(前売り)
・山内ケンジ主宰「城山羊の会」の「トロワグロ」3500円(前売り)
以上の劇作家は全員、岸田國士戯曲賞の受賞者。ちなみに、「たかくん」こと藤田貴大(伊達出身。岸田國士戯曲賞受賞者)率いる「マームとジプシー」の札幌公演も、1作品につき前売り3000円。
「岸田國士戯曲賞を取ったからって関係ないじゃない?」と言われそうだが、札幌の劇団よりも世間的に高い評価を受けている人たちなのは間違いない。
…などと考えると、やはり一般3000円は高い。作品と質が3000円という価値に見合っていない、というところに考えが戻ってくる。何をもって3000円としているのかわからない、という説明が正しいか。
先にあげた作品のうち、「ブリッジ」以外は全て観た。3000~4000円を払っても惜しくなく、逆に「すごいのを観た!」という気持ちで劇場を出たのを覚えている。
これまで札幌演劇シーズンの参加作をいくつも観てきたが、観劇後にそんな思いをしたことがあるか?いや、それはまだ一度もない…。
とはいえ演劇と出合う場所が札幌かつ札幌演劇シーズン、という人もいるだろう。そんな人はぜひ、今回は結構な枚数が出回っているのが目についた無料チケットに手を出さず、3000円を払って観てほしい。
面白かったら観続けてほしいし、つまらなかったら3000円で他のことをしたらいいと思う。
新たな観客が増えるのか、それとも立ち去っていくのか、今回の演劇シーズンはいつも以上にそれが問われることになるラインナップだと私には思える。
今夏の5作品を割引などを適用せずに観ると15000円。参加劇団は金額に見合う作品を出してくるのだろうか。
※2017.7.20 9:00 一部改稿
text by マサコさん