yhs「忘れたいのに思い出せない」をコンカリーニョにて。再々演ということですが初見であります。おばあちゃんがとにかく素晴しい。コミニュケーションが取れない場面で、可笑しくなるとともに苛立ちを感じ、父親がイライラしながら会話しているのが納得できてしまうほど。笑いもあるけど重く、辛い内容のお芝居でした。
当たり前の事だろうけど、物語を動かしていない脇に回った人の表情や動作もよかった。新人ヘルパーの震えが止まらない様子とか、自分の娘と母との会話を聞いているうちに罪悪感で押し潰されそうになる父親とか、自分に関係する会話を無表情で聞くセンリさんとか、探せば他にも色々ありそう。
Channel-Eで能登さんがサイコパスという冗談があったけど、冒頭部をみる限り笑わせ役のサディストでした。ただ正直、この役がなかったら相当しんどく、アクセントであると同時に救いにもなる存在。ケアマネという家族にとっての救いともなる役なので、その辺りを強調したのかな。新人ヘルパーコンビのワケあり感はかなり強調されていたけど、彼等がどうしてああなったのかというのも考えてみたくなる。
孫娘が妊娠何ヵ月というので時間経過を説明してしまうのは上手いと感じました。照明も意味のある美しさ。入場時からカーテンコールまで、センリさん一家として舞台を全うするというのも内容が重いだけに救われた思いでした。また一家に会いに、再観しようかな。
- 2017/07/22 19:00
- コンカリーニョ
- 約1時間55分
yhs「忘れたいのに思い出せない」をコンカリーニョにて。再観。前日に比べてヘルパーのタマミさんの身長が頭一つくらい伸びた。今回は当日券(リピーター割引)で入ったので座席は後方。終盤の見どころのセンリさんの表情の変化が見づらくなったけど、全体の動きが見やすくなったのでこれも良し。
ヘルパーさんが変わったけど、もちろん大きな変化はなし。ただ体格が変わると、印象は変わりますね。偏見ですが小柄な方がテキパキ動くような感じ。
ある家族の、ほんの一時期を切り出しただけだけど、その前後を想像させられる作品。次の再演はいつかな。
- 2017/07/23 14:00
今さらのように思いついたこと。
最後の表情は慈愛に満ちたものと思っていたのだけど、最後の最後のやり取りを考慮すると、実はスッキリしただけなんだよという事なんだろうか。それはそれで、泣き笑い状態になるんだけど。
text by 小針幸弘