トランク機械シアター「レンタルおとうさん」をやまびこ座にて。絵本というより積み木の中のような舞台。そこで展開されるのが、いい加減なお父さんの更生話(笑)。確かに子ども向けで、結末が同じだったとしても、大人向けだったらもっとダークな展開がありそう。内容的には、業田良家のロボットテーマの漫画を連想するものでした。ラストはお約束だけど、こうでなきゃ。
トランク機械シアターなのに人形が出ないと思ったら、立川さんが機械人形の役でした。便利な機械が暴走して……というのは定番の流れですが、理想的だけど拒否されていると語られるのが面白い。「少年の日の思い出」の非の打ち所がないという欠点みたい。
目的や各人物の背景などについては、皆まで語らずに材料の提示に留めて観客の想像に任せるというやり方は割と好みです。色々と深読みできそうな素材が出されていたような。二人組もコミカルな役に見えて、実は結構暗いバックグラウンドがありそう。
役者さんは、わかりやすさを強調した感じの話し方。子役の二人を含め好演でした。曽我さんは忘れたいのに〜との落差がすごかったけど。特に最終手段は子どもならでは(笑)。なかなか楽しめた公演だけど、同じような公演はまたやるのかな。二人組が新製品をモニターに出して失敗するというコメディシリーズとかならないかな。
- 2017/08/19 18:00
- やまびこ座
- 約1時間
text by 小針幸弘