偏屈老人と真っ直ぐ少女 札幌ハムプロジェクト『Dr.サタン、まちがってサンタをつくる』

札幌ハムプロジェクト「Dr.サタン、まちがってサンタをつくる」をすわにて。独居老人と女子中学生の交流と書くと、文科省推薦の映画みたいだけど、本当にそういう話。三人芝居の予定が、急遽二人芝居に変わったという説明があったが、そうは見えない出来。これから練られてさらに良くなるんだろう。
ハムさんは、過去を引きずり、偏屈で中学生に振り回される老人役。取りつく島もないとこから、最後は打ち解け、そして相手の事を気遣う辺りで優しさもにじみ出る。台詞には作者の苦悩みたいなものがあったりして結構リアル。
天野さんは問題の多い女子中学生。真っ直ぐなだけに、手に負えないという感じがいい。丸い悪魔の生成では、普段の技術をしっかり生かしている。老人の止まった時を動かす振り子みたいな存在で、最後の会話もとぼけてて面白かった。
二人のやりとりには、どこかとぼけたところがあり、童話的な感じもする。だからふたりが打ち解けるのが納得できるのかもしれない。ほのぼのとした、丸い悪魔とか悪魔飯とか美味しいネタもある芝居。札幌凱旋公演が今から楽しみ。

  • 2017/08/27 14:00
  • すわ2階
  • 約1時間30分

text by 小針幸弘

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