怪談、好きですよね… 青年団リンク ホエイ『小竹物語』

連投すいません。忘れないうちに書いておきます。

※ネタバレあり

来年1月からの「札幌演劇シーズン」に参加が決まっている、東京の「青年団リンク ホエイ」。TGRの大賞が自動的に演劇シーズンのラインナップに入るという仕組みは元より、もはや「札幌」じゃないじゃん-と思うのは私だけでしょうか。それはさておき、そんなホエイの新作で笑ってきました。

怖い話を披露する「怪談イベント」に出演している怪談師たちがネット中継に初挑戦。劇場ではその裏側と中継風景が目の前で展開。一方で公演の一部が本当にネット中継されるという仕組み。ネットで見る人は「何が起きてるんだ?」と不思議に思うんだろうな…と想像しました。

怪談アイドル、男装の女子、怪しすぎる主催者、その主催者が連れてきた「イタコに憧れる」オバチャン、一般参加のおかしなテンションの女性。そしてその中継のためにパソコンを操作しているオタクチックな男。なかなか不思議な設定だけど、テンションの高さも怪しさも「こんな人いるなぁ」と思わせる自然な演技。永山由里恵さんの支離滅裂さも笑えたけれど、いきなり漬け物を食べ出すオバチャン(スカッとジャパンに出ている成田沙織さん!!)の、津軽弁で一気に怪談を語る姿にぽかーんとした後、爆笑。せりふと演技の軽妙っぷりがホエイの特徴の一つです。そういや、作演出の山田百次さんと初めて出会った「雲の脂」でも突飛な展開に笑った記憶があります。

結局、ネット中継は失敗し、アイドルは「アイドルを辞める」と言い出し、参加費をどうするかなど言い争いが起きる中、話はなぜか「目玉焼きには何をかけるか」に。そのやり取りも不思議だけど、中継場所の上に住んでいる男(これが百次さん)が「うるさい」と乱入してきて、得意の空手で男2人を倒してしまう。それが原因で河村竜也さん演じる男が死に、幽体離脱をしたところで暗転。明るくなって河村さんがはけた場面で終わり。「ええー?」と思った後、じわじわと笑いがこみ上げてきました。

日本人は昔から怖い話が好きなようで、夏の風物詩と言われたり、今でも特番のドラマになったりするけれど、実在するかどうかも不確かな話で盛り上がる人間って何なんだろうな?と、ふと思いました。幽霊やオバケよりも、生身の人間の方がよっぽど怖いんですけど。

この舞台は4日14時公演が千秋楽。ホエイのツイッター(@WheyTheater)で怪談部分の中継時間などが随時発表されます。

8月24日、東京・アトリエ春風舎でゲネを観劇

text by マサコさん

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