バラエティに富んだ5作。それぞれ楽しませて頂きましたが、このあと東京公演があるということなのでぜひぜひ頑張って頂きたいというエールを込めて、客席で個人的に思ったことなどを。
（東京の方に札幌ゲストの「ミスターロンリー」野村大さんを観てもらえないのが残念。そして東京ゲストのめぐさんを札幌で観られないのも、残念です。）
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『にせんねん女子高生』
初演よりも整理され、ステージも重ねて安心して楽しみました。反面、実は初演時には演出やテンポにいっぱいいっぱいになる寺地さんの「ワタワタ感」が逆にほんわかしたいい味を出していたことも事実。（うまくいき過ぎるって文句をつけるのも変だけど）。
でも東京公演はきっとまた緊張もして、ワタワタ感が多少戻ってくるのかな笑。きっとそれがまた寺地さんらしさを醸し出してイイカンジになるんじゃないかなあ。（初演の靴下マペットみたいな手作り感も本当はこの作品に合っているのかも知れない。今回は演出が違ったのでちょっと淋しかった＾）
あと、中盤と最後の「特殊な交渉術で！」のセリフはかなりキモなので、きちんと客席に通らないと残念。（すごく微妙な音バランスなのでテクニカルの部分だとは思うが、今回のBLOCHでは気持ち音響が勝ち過ぎてたような気がしました。
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『ガンガンデストラクション』
これもバリエーションの中では貴重な一作。最初の“死体”から、まさか延々下ネタ押しでいくとは思わなかったけど（笑）遠藤さんがキレよく展開させるので嫌みがない。東京ではもっともっとキレキレで攻めて欲しいなあと。
ただ、（これも演出の部分だとは思いますが）最後のシーンが舞台上手の客席ぎわで行われ、上手2列目の僕には、前列のお客さんに遮られて演技がよく見えなかったのが残念。こういうのは些細だけど、かなり致命的な気がします。位置取りには細心の注意を。
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『しましまおじさんはよこしまである』
これはもう、例えば『ヒーロー番組』が毎週ホント実写である的な設定がまず前提にあったりして、それに余計な説明もなく、なのに違和感なく進行する脚本の繊細な丁寧さとかが、もう「バイブル」のような安定感と安心感。役者力だけでなく、ホンの作り込みの見事さあっての「ミスターロンリー」だなと改めて思いました。
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『わたしというこ、或いは』
会話に重きを置く重堂さんの究極のひとり芝居、という感じ。凛とした諒希さんのたたずまいに作品がとてもフィットしていて素敵でした。
一方で、（これもテクニカルな話で恐縮だが）淡々とした全体のセリフ回し、個人的にはもう「ひと目盛り」だけ声のボリュームを上げたほうが良かったと思いました。特にBLOCHは客席の位置が舞台より高いので、座った状態の役者の声が思ったほど届いていませんでした。顔の前にモノをかざしたシーンでは尚更。
演出意図として、すべてのセリフを明確に聞き取らせるつもりがなかったかもですが、客席の集中力を持続させるためにも、もう一息だけ声の音量を乗せた方がよかったかなあと。
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『よふけのビート』
これは万人受けするスタンダードな楽しさが最高。「ミスターロンリー」の大さんの代わりに（大さんはゲストという位置づけなので）、タツミチさんがきっちりと興行を締めてくれる安心感。手放しで楽しめたけど、超個人的な好みでいうと、殴られるSEがやたら多用されるのでラストの「あの」シーンの前までは、もう少し音量を抑えめにしていた方が、最後でより盛り上がるかなあとも思いました。
（2017年9月9日19:00〜 演劇専用小劇場BLOCHにて観劇）
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きまぐれポニーテール×BLOCH PRESENTS
『ロンリーアクタープロジェ クト〜番外編』〜みたことないがみたい〜
2017.9.8（金）〜10（日）
【日程】 2017年 9月8日（金）20:00 9月9日（土）13:00/19:00 9月10日（日）13:00
ひとり芝居を集めて一挙上演するBLOCHの人気 企画と札幌演劇を中心に「おもしろいこと」につい て考える企画ユニット きまぐれポニーテールとの 共同開催！ 普段あまりお芝居を観る事のないお客さまにも気軽 に劇場に足を運んでいただけるよう、 １作品20分程度の小作品で構成される一人芝居フェ スティバル。 札幌で活躍する役者の5作品を上演します。
『にせんねん女子高生』
【出演】寺地ユイ 【脚本】里美ユリヲ（絶対鈍器）【演出】鎌塚慎平 （劇団・ボイジャー14号）
『よふけのビート』
【出演】サイトータツミチ 【脚本】八十島悠介（マイペース）【演出】熊谷嶺 （霊６）
『わたしというこ、或いは』
【出演】吉田諒希 【脚本・演出】重堂元樹（演劇公社ライトマン）
『カンガンデストラクション』
【出演】遠藤洋平 【脚本】谷村卓朗【演出】遠藤洋平
※『しましまおじさんはよこしまである』
【出演】野村大 【脚本・演出】ツマサキ舞台
MC 塚本奈緒美
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（※は札幌公演ゲスト。東京公演ゲストは『齷齪とaccept』【出演】小山めぐみ 【脚本】川尻恵太 【演出】ニシオカ・ト・ニール）
text by 九十八坊(orb)