超能力者たち 劇団怪獣無法地帯『サイキック夢見長屋』

劇団怪獣無法地帯「サイキック夢見長屋」をパトスにて。少年漫画とあったけど、むしろ少女漫画で描かれそうな内容。孤独、仲間とのつながりを主として、社会的な何かをぶち込んだように見えました。常に能力者達に寄り添った内容だったので、最後も暖かい気持ちになれるもの。わかりにくかったけど。
序盤にところどころで示される地理情報などから、なんとなくそうではないかと思っていたものが、終盤あたりで実際に台詞となって出てくる。それまで漠然と表明されていたように思える「普通の人」たちからの敵意、差別が明確化されたような気がする。
能力者の持つ能力は、なかなかユニーク。チートなくらい強いヒロインも、仲間がいるからこそ強い能力を発揮できるというあたりには作り手側の強い意志があるようにも思えました。細かい点だけど、姓と名の読みの、頭の一文字が必ず被っているお遊びも好み。
ステンドグラス的な影絵がかなり使われており、演者がまんま写ってしまっていた。ただ、クローンの表現などで、出演者の影を使ったりしていたので、それほどの違和感はなかった。
今は内容を理解したとは言いがたい状態。もう一度観ると何かかわるかな。

  • 2017/09/22 19:30
  • パトス
  • 約1時間40分

劇団怪獣無法地帯「サイキック夢見長屋」をパトスにて。再観。登場人物の仲が良さそうで、仲間を大事にという話に思えるけど、どうしてもその舞台となる土地が気になる。大間原発の建設予定地と福島第1原発の跡地が出てくるのだから、能力者も原発がらみの能力ではという余計な考えで妄想が膨らむ。
クローン(増殖)+火(熱)+毒/薬なんて高速増殖炉という感じだし、忘却+冷却/解答は時が経てば忘れるだろうというような東電の対応と凍土遮水壁を連想してしまう。大間から来た彼女も、六ヶ所村再処理工場の燃料ではとも思える。考えすぎだろうけど。
原発がらみの話であると仮定すると、最後のセリフは能力者たちにとってはハッピーエンドだけど、それで手に入れられた世界って、と考えてしまう。北海道にある核物質を集積し、空を飛んでいると考える事も出来そうなので、核ミサイルで開かれた未来かな。
以上のような妄想を展開してしまいたくなるような設定の数々。だけど、もちろん演じられているのは、仲間を思い、互いに助け合う姿を明るく描いたもの。素直に取るべき点を変に勘ぐってしまうのが間違いなんだろうけど、こんな楽しみもできる話でした。

  • 2017/09/24 14:00

text by 小針幸弘

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