巴御前が愛らしい! 劇団fireworks 『沙羅双樹の花の色』

劇団fireworks 「沙羅双樹の花の色」をコンカリーニョにて。時代劇。台詞もしっかり時代劇言葉だし、殺陣もかなり頑張っている。平安末期の木曽義仲と巴御前の話という、知らない人は全く知らない話なんだけど、現代の高校生をリンクして、うまく説明していた。舞台の使い方も流石としか。
巴が田舎の小学生みたいな表情で、とにかく愛らしい。その分強い女武者というのが信じられなくなっちゃうけど。そのまんま大人になって、同じように付き合い続けようとするけど、周りの変化がそれを許さないようにも見えてくる。笑顔の影の悲しみ。
周りからの期待に沿うように女武者として生きる巴御前と、周りからそう期待されていると思い込んで男装で生きる高校生。高校生側の設定は少し無理があったような気もするけど、劇中で巴御前ができなかった女性としての装いの選択をさせたかったのかな。
最後の場面で布を使った演舞は見事の一言。布を拾い損ねれば、それまで積み上げたものを台無しにしかねないのにチャレンジした事に拍手。実際に槍に付いて舞う布を見て、一番いい時の彼らに想いを馳せたました。きれいで、いい締めくくり。

  • 2017/09/24 17:00
  • コンカリーニョ

text by 小針幸弘

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