第67回高等学校文化連盟石狩支部 高校演劇発表大会。あくまで審査員が審査を行うための上演で、せっかくだから生徒の身内や都合のつく人にも観てもらおうというスタンス(に見える)上演。一日の入場料が300円で公演パンフレット(白黒のチラシ集のようなもの)も300円ととにかく安い。
「女生徒」
朝から出かけた理由は、これがあったから。「わたし~」と同じ題材なので、どんな作劇か興味があった。原作小説の部分部分を複数の人物がやる作りで、同じような手法があったので、そういうものかと思ったら、作劇協力にイトウワカナさんの名前が。納得。
「浅草・橋場二丁目物語」
お嬢様と女中さんのコミカルなやり取りが楽しかった。戦争中の話なので、悲しい話も多いのだけど。言ってはいけない一言を放った時の、取り返しがつかない関係となった感じに緊張感があった。恐らく2人に感情移入出来たからこその緊張感。
「ジャンバラヤ」
擬似的に家族になるというお話。セットは短時間でよくここまでと感心するしかない出来で素晴らしかった。擬似家族になる人達も、それぞれの役の年齢っぽく見えた。特にお母さん役は板についた感じ。最後が唐突に感じたけど、これはこれでいいのかな。
「ましろく怒れり」
切り捨てられる痛みを知っているはずの人が同じことをしてしまうという話。最後に改心するのだけど、それが無ければ本当に救いがない。冒頭、相模原の事件の犯人に同調するコメントが恐ろしいけど、多分実際にあったもの。優しい世界はないものか。
「Speaking!」
テーマとしては、ありがちな話なのかもしれないけど、台詞のやり取りがとにかく気持ちよかった。口喧嘩の場面は絶品。お父さんの扱いは完全に道化役だったけど、女3人対男1人と考えると、あんな感じになるのかな。観た中では一番好きな作品。
「ひと夏のかぐや姫」
月を背景にした踊りが綺麗で、キャラクターも面白かった。鎌を2つ持ったカマキリ男みたいなおじいさんは最高。ただ、会議の場面が少し退屈に感じてしまった。まあ、これは個人の好みの問題だろうけど。ただキノコ・タケノコ戦争はあれで正しい(笑)
- 2017/10/07 10:10-(最後の1作は未見)
- 札幌市教育文化会館小ホール
text by 小針幸弘