学生向けの観劇作品? 札幌座第53回公演 『空知る夏の幻想曲』

※詳しいあらすじは、10月16日の熊喰人さんの投稿を参考にしてください。

 

本作は、厚別区の小学生や厚別高校生も観劇すると、終演後のあいさつで聞いた。「授業の一環としての観劇会」というスタンスであればこの作品は「アリ」だろう。が、「演劇を観る」という心構えでいた私には「なんだか中途半端だなぁ」という印象しか残らなかった。結局、「この作品で何をやりたい・見せたい」というのが、私には最後まで見えなかったのが理由だ。

 

空知の名物を説明しながら食べ、かつての空知について語る。そこに「炭坑内で抗争が起きている」という物語が突っ込まれる。現実と虚実の境界線があいまいになる場面の一方で、火力発電所に空知の石炭が使われているという「今起きていること」も描かれる。これだけで満足する人もいたのだろう。しかし、空知の歴史物語としては物足りないし、ファンタジーだと言い切れるほど力のある話ではなかった。そのため、「何をやりたいのか」という思考が抜けきれず、物語に没頭できずにいた。

 

2015年の初演も観ているが、シアターZOOからサンピアザ劇場とハコが大きくなり、セットも炭坑内っぽくなった点は良かった。しかしながらも舞台上でパンを焼くより、生演奏をするより、もっと観客を没頭させるような演技、物語を観たいと思うのはわがままだろうか。

 

観劇後、札幌以外で本作を観たという人からメールが来た。「金を取って見せる内容ではなかった」と、私以上に辛辣だった。

 

・10月19日、サンピアザ劇場

text by マサコさん

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