大人になってなにを思うだろう/トランク機械シアター『ねじまきロボットα~ともだちのこえ~』

ねじまきロボットの「α(あるふぁー)」は旅に出て、「さつほろ」にたどりつく。その町では「パステル語」を話すアイドル「パペポ」が人気で、同じように「パステル語」を話す外国人観光客が大勢来ていた。しかし大臣はそのことをよく思わず、排除しようと動き出す……。

というけっこうストレートな風刺劇。現在の状況をガツンと提示して、楽しい人形劇を予想して観にいったら驚いた。いや、楽しい人形劇であることは間違いないのだけど、そのストレートさに、作り手の伝えたい気持ちを強く感じた。

人形を操る(同化する)出演陣がいい。明るく、楽しく、子どもたちにとって理想的なお兄さんお姉さんのようだった。また、人形の造形や装飾もすばらしく、特にお掃除ロボ「ドラパ」のさびてる感じが高ポイント。汚しがいい。

主人公「α(あるふぁー)」は、途中何度もねじが止まって動けなくなる。彼は他人にねじを巻いてもらわなければ生きていけない。だからどんな相手であっても信じる。他者への信頼と寛容さが、ひるがえって自分の生きる道だからだ(そういう打算を越えた信頼なのだけど)。

これから、言葉の違う観光客だけでなく、外国人の労働者も増えていくだろう。もしかしたら外国人に仕事が取られたり、外国人の犯罪がことさら喧伝されるかもしれない。そのとき、この劇を観ていた子どもたちが大人になって、なにを思うのだろう。恐れだろうか、憎しみだろうか。それとも、はるか子どものときに観た劇の、勇気ある主人公のことだろうか。

 

2017年11月2日19時30分~20時30分 こぐま座

text by 島崎町

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