坑夫たちの優しい世界 MAM『月ノツカイ』

MAM「月ノツカイ」をシアターZOOにて。当日券で何とか潜り込んで観劇。少し込み入った作りだけど、前回も観ているので、その辺は問題なし。電話が変わったのを見て、話を思い出したりしていました。とにかく泣かせどころの多いお芝居で、出てくる人達がみんな好きになる。悪人のいない感動作。
出てくる人達が、みんな誰かに負い目を持っている。それは人によっては既に亡くなった人だったりするけど、負い目があると感じることが出来ているというのは、それだけ相手を思っているということ。だから言葉になって出てきた時に、観ている側の感情が刺激されるんだと思う。
遠藤さんは都会から田舎に戻ってきた男の役がハマりすぎるくらいハマっていた。逃げて逃げて、自暴自棄になりそうになりながら、周りの支えで何とか立っているし、それを自覚もしている。他の坑夫たちから見ると役に立たない都会ものでも、立ち居振舞は紛れもなく坑夫のそれ。
坑夫たちは、みんな乱暴ではあるけど、お互いを信頼しているし、信頼するに値する人たちとして描かれている。過去を振り返るという形なので、思い出フィルタが入っているとも考えられるけど、観ていて気持ちがよくて、過酷な場面ばかりなのに、戻ってみたくなる世界だった。

  • 2017/11/07 19:30
  • シアターZOO
  • 約2時間10分

text by 小針幸弘

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