words of hearts「アドルフの主治医」をことにパトスにて。パトスを横に使い、部屋が二つあるセットで、欧米の実在の人物(研究者)を元にした話という「ニュートンの触媒」と同じような題材。前作と同様、フィクションもいろいろ入っている。扱っている人物に同情的な作りも同じ。
開始直後から、セット、飛世さんの髪型や衣装スタイルの良さや雰囲気で、今の日本ではないどこかに連れていかれた。他の登場人物も、どこか異国感があった。サイトータツミチさんの髪型や立ち居振る舞いからは、どことなくヒトラーを連想。
体制に組込まれ、いつの間にか変わってしまい、何かに憑かれたように神への挑戦とも言える研究に突き進み、良心を封印してしまうものとは対照的に、社会の良心とも言える白いバラ運動。描写は少ないけど、これも描きたかったものなんだろう。
ところでこの劇中では椅子の組み立てが。前作はハイライトがナイロンの生成だし、もしかしたらwohの歴史ものは、劇中で何か作るのを約束事にしようとしているんじゃなかろうかと思ったけど、あれはバラバラのピースがハマったという事だよね。
この芝居は夫婦愛の物語になっているけど、wikiを読んでみると、そんな物語など想像できないほど酷い記述の連続で、まさに良心など無い怪物。芝居で興味を持ってもらい、自分で調べてもらって、何かを感じて欲しいということかもしれない。
11/13追記。
クローンの研究というのが出てきた時に、ブラジルから来た少年を連想したんだけど、ブラジル編の青年の名前でしっかり示唆していたのですね。小説も映画もあらすじくらいしか知らないけど、読んでみるかなあ。
- 2017/11/10 19:30
- ことにパトス
- 約1時間45分
text by 小針幸弘