未来は素敵 トランク機械シアター『ねじまきロボットα〜ともだちのこえ〜』

※トランク機械シアター作品の印象について、詳しくはこちらの記事に書きました。
ここでは箇条書きにて失礼します。
 
 
○某ランドのキャストを連想する役者のなりきり感とホスピタリティがいつもながら素晴らしい。美術・音楽・照明も効果的で、子ども向けEテレ番組方向の作品として安定の仕上がり。気持ちよく見た。

○友達ロボット「つぎはぎ」の、いかにも重そうな足取りが目を引いた。実際には軽い人形ですよね? 使い手の上達を感じた。

○言葉が通じない異国人を排斥したがる権力者が登場。現実社会とリンクした作品づくりに好感を持った。上演地の名前をもじって物語中の地名を付けている点も、現実と作品とを関連付ける工夫と感じた。

○ストーリー展開が少し複雑になっており、追うのが難しい部分があった。追えずとも楽しく盛り上げてはいたが。

○「あいつは嘘つきだ」と言われて信じてしまう点は、説得力に欠けると感じた。子ども向けならこれでもいいのか。もう少し「あ、それなら騙されちゃう。ダメだよ、どうしよう」とハラハラするような理由はないのだろうか。

○悪役が悪い人として登場するが、これも子ども向けだとこうなるのだろうか。大きな悪事を行う人は、大抵はそれを善と信じている場合が多いように思うが。
(何が善で何が悪か、はおいといて)

○「いつかは友達になれるかも」という前向きなラストがとても良かった。今日はダメでも明日は素敵な未来が待っている。
ここに落とすように、言葉が通じなくても友達になれる(会話できる)・通じてもなれない(会話できない)という対比がスッキリ見える形でもいいように思った。
 
 
2017年11月1日19:30 こぐま座にて観劇

text by 瞑想子

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