凝り過ぎかな さっぽろ学生演劇祭『ブルー!ロマンス・ブルー!』

大雪が降った札幌。
そんな日曜日の午後、サンピアザ劇場で第11回目となるさっぽろ学生演劇祭の作品を観劇した。

さっぽろ学生演劇祭は、2011年の第5回(『フレンズ』『レターズ』)、第6回『西の空と東の空のあいだ』、第7回『超時空概論FRUITS BASKET』、第8回『遠い夜の夢』、第9回『アニマ』、第10回『桜田四姉妹、婚活をする』と観て、今回が7作品目。

今回ほどあらすじを書くのが難しいと思ったことはない。
古代神たち、アポロン・エロス・アフロディーテ・アドニスの場面と、現代の日本における男女それぞれ3人の恋模様の場面という、ふたつの場面で話は展開する。
エロスとアフロディーテが日本人若者の恋のお手伝いをすべく日本を訪問する。男女の中に3年前に恋人を亡くした女の子がいて、今でも彼が忘れられない。そこにアドニスが現れる。実はアドニスは亡くなった恋人と重なる。一方、恋を破局に陥れようとするピロテース・オイジュス・モモスたち。
愛の神、冥界の女王や愛欲の神にキューピッドが絡み、そこに現代の若者が絡む。
と書いても、伝わらないだろうなあ。

脚本家がいいたかったことは、神代の昔から愛とか恋とかが大きな問題(話題)になり、それが現代社会においても同じように問題になる、男と女の仲は本当に難しい、ということなんだろうと思う。
そしてこれ自体はありがちなテーマなので難しさはない。しかし…。

演出効果は素晴らしかった。大学生演劇であれほどの舞台衣装を準備できたことに感心した。予算面の関係から、ともすると普段着のままの演劇になりがちだが、しっかりと衣装を作っていた点は合格である。
オープニングにVTRも使っていたが、これも『どんなお芝居になるのだろう』と期待させる出来であった。

それでも分かりにくかったのにはいくつか理由が考えられる。そのひとつは登場人物が多かった点である。何しろ20人が舞台に上がったので、それぞれに衣装で見分けが付くものの、恋愛に対して誰がどのような意識を持っているのかが明確には伝わってこなかった。
もうひとつは、演出が凝り過ぎていた点である。神であるアフロディーテは死んだ人間であるアドニスに恋する。このアドニスが恋人を亡くした女の子の前に現れる(アドニスと恋人役は一人二役)。しかしアドニスがどんな役回りなのか、そしてなぜ二役なのか、つかめなかった。そもそもアドニスが死んだ恋人(人間)だったのかも、今振り返ると自信がない。

大声を出す場面で声が割れて聞こえにくかったが、これは若い役者さんにありがちなので仕方ないとしても、もう少し抑えても良かったのではないかと思う。

さっぽろ学生演劇祭は、札幌を中心とする道内の大学で演劇に取り組んでいる部員たちが合同で一本のお芝居を作るもので、今回は12大学が参加した。
すべて自分たちで作り上げたという点からは、「今回もサンピアザ劇場で上演してくれてありがとう」というしかない。大雪になったにもかかわらず、サンピアザ劇場にはざっと見て100名以上が来場してくれたことにも感謝。
終演後、役者さんたちの顔が輝いていたのが印象的だった。
 
 
上演時間:1時間13分
2017年11月19日14時 サンピアザ劇場にて観劇

投稿者:熊喰人

text by ゲスト投稿

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