劇団動物園「ホテル山もみじ別館」をシアターZOOにて。2009TGR脚本賞というだけあって、巧みな作り。出演陣もそれぞれ個性的でよかった。客席には土曜日だけどスーツ姿の方が多く、上演開始が遅いのは、北見からというのもあるけど、この方達のためだったのではと納得。2回しか無いのが残念。
冒頭から同じ会話を調子を変えて続けたり、つながりのないはずの二つの部屋で同じような会話をしていたりで、状況もわからず話自体はそれほど進展していないにも関わらず、飽きがこない作り。それが状況がわかってくると、一気に加速し、どんどん面白くなる。
同じセットをホテルの別の部屋としていることを活かして、同じような台詞を別の構図で見せたり、暗転明けでバリケードみたいになったテーブルに隠れて会話する教師の姿を見せるだけで笑わせたり、作り方が本当に上手いと思う。後半は笑いの連続だったものなぁ。
出演者の男性二人が、なんとなく佐藤二朗さんと弦巻さんに見えてしまうという失礼な見方をしてしまう。先生二人の服の色も紅葉に見えてきて、相方の一人は幹、もう一人は雪の色かなどとこじつけたりもする。しまいには、4人の話の締めが雪の人だなどと勝手に納得。
- 2017/12/09 20:00
- シアターZOO
- 約1時間55分
text by 小針幸弘