いつも好き勝手に感想を書いているが、本作についてもかなり好き勝手に書いてみたいと思う。
なお、今回はゲスなことにも触れているので、苦手な方は要注意。
男性向けのアダルトビデオ(以下、AV)があるように、女性向けのAVが存在する。「男性向けと女性向け、何が違うのか」とエロ動画に詳しい男子に聞いてみたところ、「男性向けは男優の顔がほぼ映らず、しかもブサメンや老人も男優になり、とにかく女優がヤラれている映像が続く。女性向けは男優の顔も出るし、ヤルまでの時間が長い。全く抜けん」と返事が来た。ネットでその「違い」を検索したところ、同じような意見が多かった。まあ、見る見ないは別として、男性と女性でエロい動画に求めていることはちょっと違う、ということらしい。
本題。数年前から「あの作品(ホテル山もみじ~)を札幌でまた観たい」とオススメしていた人がいたので、昨年末の札幌公演は早々に申し込んだ。が、全く共感できずに終わった(役者への評価は高いが内容は…という点で瞑想子姉さんも同じだった)。一方で、私のまわりの男性陣のウケはかなり良かった。しばらくその理由がもやもやとしていたが、「あの作品は、不倫など許されない恋に対する男の理想なのか?」という考えが降りてきた。
高校の男性教師と教え子の母親、同じ高校の定時制の女性教師とその教え子(30代越え)の2組が、それぞれ「ホテル山もみじ別館」に来た。いわゆる「許されない恋」を、自宅や勤務地から遠く離れたホテルで…ということである。ホテル内の廊下で教師同士が偶然会ってしまい、「こんな許されない恋のためにホテルに来てるなんて、尊敬するあの先生に知られたら困る!」と騒ぎになる-。あらすじはこんな感じ。
「お互い好きだから来ちゃった(でも体の関係はないの)」的な女性教師+教え子のもどかしさはともかく、冒頭の、男性教師と教え子母のどっちもどうも踏み込まない中途半端なイチャイチャぶりがとても長い。この点について観劇後、「まずはヤルでしょう!」と瞑想子姉さんと話していたのだが、作が男性と知って「男性目線だから、私とは相容れないのか」とふと思った(これが、エロ動画の男女差に似ているとつながるわけで)。だから、物語の落としどころはともあれ、釈然としないまま帰路についたわけである。あと、個人的には後半のドタバタっぷりを前半から出してほしかったし、暗転が多すぎたのが気になった。特に大きなセット替えはなかったので、多用すると集中力が途切れる暗転でなくても良かったような…。
ただ、出演者4人の演技は好きなので、違う対話劇を観てみたい(「隣にいても一人」とか、「3人いる!(高校教師バージョン)」とかね)。
2017年12月9日、シアターZOO
追記:女性教師役の佐藤さんが出てきた時、「『トシドン』の先生だ!」とテンションが上がったのは、おそらく私だけだろう
text by マサコさん