遠く沖縄で札幌演劇を知る 寄稿者:小室明子

気温27℃。11月30日、マイナス気温の冬の札幌を飛び立ち飛行機を乗り継いでたどり着いた先には夏の暑さが待っていた。日本は広い。

12月1日〜3日、沖縄で開催された「全国小劇場ネットワーク会議in那覇」、札幌、東北、関東、関西、中国地方に九州と、本当に様々な地域から小劇場関係者が集まっていた。違う地域で活動しながらもよく会う人、お久しぶりの人、初めましての人など様々。勉強会とはいえそこは沖縄、開放感に包まれ気分も浮き立ちます。
3日間、様々な地域の演劇を取り巻く環境についてを聞き、課題解決策をディスカッションし、沖縄の小劇場演劇を観劇し、交流会では参加した方々と酒を飲みつつあれやこれやと。そして宿に戻れば同宿の皆様と宴会の続き、刺激的な時間でした。

私は残念ながらもう小劇場の人間ではありませんが、この会議のきっかけになった一般社団法人おきなわ芸術文化の箱の皆様による全国視察が行われた際、札幌の劇場や札幌演劇シーズンについての取材のアテンドをさせていただいたご縁もあり、新しくできた劇場・銘苅ベースも見てみたいしこんなことでもないと沖縄に行く機会もそうそうないし、ということで勢いに任せて参加を決めました。同会議のほか、併せてON-PAM(NPO法人舞台芸術制作者オープンネットワーク)関連の催しもあり、3日通して、随分と自分のことと、関わるカンパニーのことしか考えられてなかったと、フリーランスになってからの仕事を振り返って大いに反省。もっと広い視野、高い視座を持って仕事をせねば、と思いも新たにした旅でした。

ネットワーク会議では、基調講演として平田修二さんより札幌の演劇、北海道演劇財団の歩みが紹介されました。会場に集まった各地の方々も感銘を受けているようで、その光景を見て正直驚いてしまいました。確かに、ここ数年、関わっているカンパニーの公演を道外で行ったり、道外のカンパニーを札幌公演の現地制作をしたりする中で、札幌はすっかり演劇が盛んな街だということは肌で感じています。当たり前に恩恵を受けていましたが、これは随分と大変なことのようです。遠く沖縄の地で平田さんが札幌演劇界で成してきたことを客観的に感じることができ、現在の札幌の演劇環境の充実を再確認。もちろんその全てを肯定しているわけではありませんし、それでもまだまだと無い物ねだりの気分もあります。この先は、平田さんを始めとする先人たちに感謝しつつ、この特異性を誇りながら、検証と実践を積み重ねていくことが必要なんだろうと思います。

実に17年ぶりに訪れた沖縄、季節が二つ巻き戻るほど遠い場所ですが、顔を合わせて話をして、作品を観てみると、明日にでも会いに行けそうなくらいに気持ちの距離は近くなりました。次回は作品を持って来ようと誓い帰路につきました。そしてネットワーク会議の次の機会までに、きちんと仕事を積み上げていかねば、と気力をもらった旅でした。

寄稿者:小室明子
ラボチ/演劇制作者

text by ゲスト投稿

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