≡マサコさんの部屋≡  vol.3   札幌座『暴雪圏』出演のホエイ 山田百次と「北大マルシェ カフェ&ラボでホエーとモッツアレラの野菜グラタンを食べる」の巻

「ホエイ(または、ホエー)」。
身近なもので説明すると、スーパーでヨーグルトを購入した際に、上澄みのように浮いている、あの薄い黄色っぽい水分がホエイ(または、ホエー)である。栄養価は高いのだけど有効な活用方法、流通方法がなかなか見つからず、廃棄されることが多かったという(現在は、豚のエサなどに使われてますね)。そんなホエーを演劇に重ねたのが、「札幌演劇シーズン2018冬」に札幌以外の団体として初参加した東京の演劇ユニット「ホエイ」。その名には「何かを生み出すときに捨てられてしまったもの、のようなものをつくっていきたい」という思いが込められているそうだ。

2月14日からシアターZOOで始まる札幌座の舞台『暴雪圏』に出演するため、シーズン参加後も札幌に滞在しているホエイの山田百次(劇団野の上、以下、百次さん)に、「ホエーを使ったグラタンを食べに行きませんか」とメッセージを送ると、快くOKしてくれた。それから数日後、役作りのため金髪になっていた百次さんと向かったのは、北大構内にある「北大マルシェ カフェ&ラボ」。北大農場の収穫物を使った料理などを提供するこの店に、季節限定のランチメニュー「ホエーとモッツアレラの野菜グラタン(以下、ホエーグラタン)」があるという(瞑想子さん情報)。

数種類あるランチセットの中からオーダーすると、最初に出てきたのは「しぼりたて北大牛乳」。
 

 
この牛乳、北大構内の牛舎から直送(!)というフレッシュさもさることながら、とても味が濃い。思わず百次さんも「濃いっすねー」。そのひと言の後、一気に飲み干した。小瓶の縁に白いつぶつぶ(乳脂肪)が残るほど濃厚だ。牛乳好きはぜひご賞味をあれ。

続いて運ばれてきたのが、熱々のフライパンに載ったホエーグラタン、特製ホエースープ(この日はミネストローネ)、モッツアレラチーズとパン(ライスを選ぶことも可能)。
 

 

 
早速ひと口、「やさしい口当たりですね」と百次さん。

ホエーが使われたグラタンソースはあっさりとした味。ごろっと大きめに切られたニンジン、ジャガイモ、カボチャ、ブロッコリーなど数種類の野菜と絡み合い、それぞれの味を引き立てる。言葉が少なくて申し訳ないが、とにかくおいしい。画像がぶれるほど百次さんの食べっぷりもいい。
 

 
メニューに使われるホエーは、店内にあるモッツアレラチーズの工房(百次さんの背後に写ってます)から生まれる。店長の宮脇崇文さんは、「チーズ製造に使う牛乳の約8割がホエーになる。いつも大量に廃棄するのを見ていて、この栄養価の高いホエーを何かメニューに生かせないかと考えていた」と話す。メニュー考案に携わるシェフに相談し、「冬だから温かなメニューを」(宮脇さん)とリクエスト。ホエーにモッツアレラチーズなどを加えたまろやかなグラタンソースが誕生した。ちなみに、宮脇さんは笑顔が爽やかな北大教育学部卒の男子だ(店長になったのは「いろいろと縁があってここに…」だそう)。

ホエーはランチに付いてくるスープのベースにも使われており、「クセになりそうな味。どうやったらホエーがこんなおいしくなるんですかね?」と百次さん。
 

 
というのも、以前、三重で公演を行った際、「ホエイ」という名前にとっても興味を持った地元の人が、大きなプラスチックボトルに入った大量のホエイを「これがホエイだ!」と差し入れてくれたのだそう(味については…)。だからなおさら、おいしさは格別だったのかもしれない。話を本筋に戻すと、スープは週替わりで、宮脇さんは「クリームスープや根菜スープなどもあります」と話す。

 
ホエーグラタンは「冬季限定メニュー」のため、現状では3月いっぱいで終了するそうだ(急きょ、変更の可能性もあります)。宮脇さんは「北大ってなんだか気軽に入ることができない、と言う人が多いようです。でも、せっかく交通の便がいい街中にあるのだから、札幌に住んでいる人も旅行で来た人も、ふらっとランチを食べに来てほしいですね」とアピールする。
 

 
さて、ホエーグラタンを味わい尽くした百次さんが出演する舞台『暴雪圏』は、夕張生まれ、中標津在住の在住の作家・佐々木譲の小説が原作で、札幌座の芸術監督・斎藤歩が脚本と演出を手がける。ブリザードが吹き荒れる平原に建つペンションに、さまざまな境遇の人々が避難してくる物語だ。百次さんの役は、血気盛ん過ぎて殺人を犯してしまい、納谷真大(イレブンナイン)演じるリーダー格の男に連れられて避難してくる男。百次さんによると「シリアスだけど、なんだかおかしみのある人たちの姿が丁寧に描かれる」そうだ。「なぜ彼らがペンションにたどり付いたのか、その前段階の物語にも注目してほしい。誰もが持っている悩みや感情に寄り添う舞台になっていると思いますよ」。
 

●北大マルシェ Café & Labo
住所:札幌市北区北9条西5丁目北海道大学百年記念会館1階
(北大正門を入って右手側。図書館の向かって右隣にある建物)
電話・FAX:011・788・7452
営業時間:午前10時から午後6時。このうちランチタイムは午前11時から午後2時
定休日:火曜

●札幌座『暴雪圏』
日程:2月14~21日
※外国語字幕付き
料金:一般3500円、学生1800円、高校生以下1000円
既に前売りが完売している回もあり。各日の上演時間などの詳細は札幌座のホームページ(http://www.sapporoza.com/)でご確認を

text by マサコさん

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