木製ボイジャー14号「離レ離れの眺めじゃダメ?」をBLOCHにて。三方を白い幕で囲った舞台は、まるで霧に包まれたようで、舞台以外の世界がないようにみえる。そこは町(或いは駅)の妖精のような青年が、来る人を暖かく迎える場所だから、他の場所は不要なんだろうと思えてしまう。最後の表情がいい。
登場人物の服にそれぞれのシンボル的なものが大量に付けられていた。キャラの設定と関連があるかはわからないけど、ハッパの服には彼らを受け入れた証のようにそのシンボルが。衣装でも色々考えているんですね。途中で変わったりしてるんだろうか。
舞台の三方向が白くて霧のように見えたので、ついついミストとか、サイレントヒルを思い出し、何か異形の者が現れるのではないかと身構えたけど、強いて言えば犬のタンクが人外だっただけ。しかも可愛いし。役者のキャラを活かした配役でした。
既にある世界の中心と言えるハッパと長期間滞在はしたけど訪問者とも思えるイスミの友情が、何故あそこまで深いものになったのかは、私にはこの話の中では分からなかったけど、二人の役者の力で、そういうこともあるだろうと納得させられた形。
全体的に暖かい物語に思えるけど、いろいろ考えると、そんな単純な話ではないのかもしれない。ハッパを「札幌で演劇をやっている人」を象徴的に現した存在と考えたりすると、違った意味が現れてきそうだし。深読み上等の作品なんだろうと思う。
- 2018/03/31 14:00
- シアターZOO
- 約1時間30分
text by 小針幸弘