弦巻楽団 『舞台に立つ』「ハムレット」をシアターZOOにて。有名な台詞や、登場人物は知っていても、話そのものは知らないという、私にとってはマーク・トウェイン的な意味での古典。技量の差を配役の工夫でカバーして、演る人を含めてみんなが楽しめる芝居となっていたんじゃないかと感じました。
台詞が多くて重要な役は、普段から舞台で活躍している人が担当。シェイクスピアの台詞は詩だと言うけど、ハムレットの村上さんの長台詞は詩を詠ずるような感じ。たまに噛んでいたけど、それほど気にはならなかった。主役を張るだけのはあると納得できる出来。
遠藤さんもハムレットと入れ替わるように舞台を引っ張り、さすがと思って観ていたら、途中で台詞が飛ぶというまさかの事態。終盤に楽器のところに座っている姿が、心なしか放心しているようにも。力のある人だから大丈夫だと思うけど、悔しかったろうな。
効果音や劇伴も舞台上(奥)で演り、それこそ大きな音が出るときは、観ていてビクッとするほど臨場感がある。どれだけシーンをカットしたのかはわからないけど、充分にわかりやすく、濃厚な観劇体験ができました。ところで長尺版ってどれくらいになるんだろ。
- 2018/03/29 19:00
- シアターZOO
- 約2時間
text by 小針幸弘