次に何をやるのかが楽しみ 劇団不退転『トランス』

劇団不退転「トランス」をサンピアザ劇場にて。以前別の劇団の公演で観たことがあるけど、終盤にそれまでの展開から外れ、頭の中が掻き回されるような話。途中の南朝話で、何故か笑の内閣の高間さんが出てきたような気分になる。三人とも、それぞれの持ち味がしっかりと出ていたように思いました。

一番動きやすいという事もあるのかもしれないけど、中村雷太さんが全体を締めていたように感じた。もちろん他の二人が悪いという訳ではなく、そういう役回りという事なんだろうけど、最近は観る度にひとつ上に行っているように感じる役者さんで、次回の出演作が楽しみになる。

序盤が少しもたついたような感じがしたけど、途中からはスムーズというか首根っこ掴んで引き込んでくる感じ。途中でセットの組み替えが何度かあるけど、それも特に気にならなくなり、同じような話の繰り返しがどんどん面白くなって来る。勢いがついたところでラスト。

この劇団が、過去の名作中心にやっていくのか、オリジナルを志向するのかはわからないけど、すごく真面目に取り組んでいるのは伝わってくる。ひとりユニットという事で、誰を巻き込めるかというのが大きいのだろうけど、次回公演を楽しみに待ちたい。

  • 2018/03/25 17:00
  • サンピアザ劇場
  • 約1時間40分
公演日:

text by 小針幸弘

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