芝居と踊りと 北海道短編エンゲキ祭

北海道短編エンゲキ祭をコンカリーニョにて。約20分の短編演劇を各ブロック4団体+オープニングアクトという形式で上演するという企画。コメディ、ホラー調のもの、ダンスに特化したようなものなどバラエティに富んだラインナップで、色々と楽しめました。GW恒例行事で、毎年やってくれないかな。


劇団fireworks「明日、あの子に会いに行く」

オープニングアクトということで、上演時間の15分前から観客が入場する中での上演。40分のものを短縮したからかエッセンスが抽出されており、詩の朗読を聴いているような心地良さ。ダブルキャストもそれぞれ味があって面白かった。


ミュージカルユニットもえぎ色「地球ドレミファソラシド祭」

観客を巻き込んだパフォーマンス。宇宙人対地球人のパフォーマンス対決という設定で、最後は仲直りして全体でパフォーマンス。出演者の中の小さな男の子に目は釘付け。もう反則級の可愛らしさで全部持っていった感。


演劇ユニットわんわんズ「もじゃキング」

最初に出ているふたりの設定が面白い。ヒーローショーなどにある観客の協力を求める場面とかも、手慣れた感じで観客を巻き込んでくるあたりはシリーズものならではの強み。テレビシリーズの第1話みたいな話で、その後の展開をみたくなる。


Gパンチ「ツアー」

微妙な素材を扱っている話で、何年か前なら伊達さんのキャラとかは喋り方が違ったんだろうと思う。状況が二転三転して、最初ははしゃいでいた主人公が徐々に虚無的になって行くのが面白い。しかし伊達さん登場のインパクトはすごかったなぁ。


蘭越演劇実験室「グリーンティ或いは、4つめの軸に関する物語」

難しい話というのもあるけど、会話の途中で客席に向かってセリフと同じ内容を繰り返すのが、CM直後の繰り返しみたいに感じられてしまいイライラ。話が噛み合わないのに進む会話とか面白い作りだとは思うのだけど。


41×46「シャイネス」

内向的な人が飲み会での最初の乾杯用の一杯を注文するときの脳内会議。様々な葛藤がありますね(笑)。脳内キャラクターだけあって、それぞれわかりやすい性格をしていて面白い。他の状況だと、どんな話をしているんだろうと思ってしまう作り。


トランク機械シアター「R」

片方が実は…というような話かと思ったら、そうではないようにも見えるし。夫婦喧嘩をして、互いに絶対に直接話しかけず必ず子どもを通すというネタがドラマなんかであるけど、そのパターンなんだろか。間に入っているのが人形なのでなんとも不気味。


チーム絆花「絆花〜中山久蔵翁物語〜」

踊りを主体にやっている団体らしく、芝居部分は今ひとつだったけど、踊りの部分は一見の価値ありと思えるもの。芝居の部分を別チームでとも思ったけど、同じ人が踊っているからこその感動もあるし、なかなか難しいところ。


きっとろんどん「宅飲み」

面白かった!久保さんの不憫さ全開といった感じ。あと井上さんの棒読みは反則だと思う(笑)。飛ぶ時の案外ショボい音も印象に残った。翌日、職場で歩くときに、頭の中で「プシュー」という音が響いていたほど。短編集とかで再演してくれないかな。


演劇集団:森組「旭警部の苦悩」

登場人物の立場がどんどん変わっていくコメディ。自分が優位になると、途端に態度が変わり居丈高になるけど、立場がすぐに変わってしまうのでそのギャップで笑わせるという仕組み。まあ、容疑者は開き直りしか手がなかったりするのですけど(笑)


劇団かい「サロメ」

踊りがとにかく綺麗。踊りの報酬として首を望む話だから、踊りい一定以上のクオリティがあると説得力が増すなあというのが感想。エピソードは大雑把にしか知らないし、戯曲も知らないので、知った上で観たらまた違った感想を持てたかもしれないけど。


空間シアターアクセプ「青森カナブン」

旧家の調査に来た二人組が、不思議な力に囚われてという話。観ていてどんどん怖くなる。それもいつのまにか引き返すことができなくなっている怖さ。終わってから冒頭のシーンを思い出したけど、指を切るとやっぱりまずいのかなぁ。


劇団ひまわりユニットなちゅら「いえるは」

大人の雰囲気で始まったと思ったら、けっこうベタなコメディ。ピシッとしている人の思わぬ緩みは、なかなか指摘しにくいですよね。私もエアドゥのCAさんが同じ状況なのを発見した時はなにも言えませんでした(笑)。面白かった。


劇団ひまわりユニットあづき398「ジャガイモの実る星で」

なんとなくほんわかして面白い話。宇宙船から兵器まで全て童話めいた宇宙人がこの雰囲気の要因か。女性研究者が世間から認められず、屋上から飛び降りようとするという冒頭からは想像ができないハッピーエンドでした。

  • 2018/05/04 20:00, 05/05 14:00, 17:00, 05/06 14:00, 17:00
  • コンカリーニョ

text by 小針幸弘

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