風蝕異人街「吸血鬼」をアトリエ阿呆船にて。奥まった場所で観る怪しげな芝居というのはなんとも言えない趣きがある。例によって内容を理解できたとは言えないけど、中毒性を感じるのは、そんなところにも要因があるのかもしれない。伝わる熱量も多く、わからなくてもなんか凄いもの見たと感じる。
入場時から役者さんが舞台上にスタンバイしていて雰囲気を盛り上げる。時々思い出したように「いらっしゃいませ」などと言ったりするので、前説の人を含めてギョッとしたりするのが面白い。座った瞬間から既に演劇空間に入り込んだ感があるのは雰囲気作りが上手いんだろうなぁ。
脇に回った人が井戸から水を汲み出す音。怪しげな行商人。どこか病んだ感じのする姉妹。妙な会議をする村の住民、。よくはわからないけど、何か気になり、成り行きを見たくなるのは、演じ方も関係するのだろうか。観てもわからないけど、またあれば間違いなく観に行くと思う。
- 2018/05/12 15:00
- アトリエ阿呆船
text by 小針幸弘