難しかったけど、また観たい プロト・パスプア『分裂と光』

1日限り、2ステージのみ。とても見応えのある濃厚な舞台で、もっと上演してほしい作品でした。
会場の作りは、一方が壁、3方は客席。公演中も他の客席がうっすら見え、客も見物人として劇に参加しているような、不思議な気持に。
海の底のような黒い広い空間、美しい繊細な照明。魅力的で個性豊かな役者さん方、白くはかない夢のような衣装。
役者さんの気を浴びて、とても刺激的な非日常を味わいました。
私は母親なので、母親役の立ち位置に共感。そう。母親が子どもにできる事って、見守って待つだけ。そして自分を責める。
でも、2ステージとも拝見したのに、話の内容は、よくわからず。テンポ速く、場面転換も多く、複雑な内容と構成に、ついていけず。
「ある女性が精神を病み入院するが退院してくる」という話らしい。でも、章太郎と小宮山さんが誰なのか?また、なぜ主人公は、妄想(?)世界から現実世界に、戻ってこられたのか?
そこで台本を何回も拝読。章太郎と小宮山さんは、現実世界と妄想世界で違う役があることがわかり、やっとストーリーが、私の中で整理できました。
自分が作った世界の中で、架空の恋人と「一緒に」飛ぶことができたこと。そして「現実世界で待っていて」と言われたこと。
それが、彼女が現実に戻ることができた理由なのでしょうか。ファンタジックな衣装から現実的な服に「自ら」着替えたことは、それを象徴していたのでしょうか。
さて、私もよく感じる「集団における個の疎外感」とは何なのか。また「自分が壮大な宇宙的なものに動かされてる」ような感覚もわかるけど、謎。
その答えはなくとも、考えたり芸術作品にしたりすること自体が大事なのかも。だから、次の作品もまた、きっと観に行くと思います。

6/16(日) 13時30分 コンカリーニョ

投稿者:とがねず

text by ゲスト投稿

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