声を張り上げずとも伝わる説得力 iaku『粛々と運針』

まず、全体を通してそれぞれの役者のストレートプレイが過剰すぎずに伝わる名演だったと思う。
個人的に、橋爪さんの声の演技がとても好きだった。

登場人物が各々のエゴをぶつけ合うものの、全員が「正しく」て「必死」なので、観ているこちらも、この人たちを何とかしてあげたい、と思わせるものがあった。

あの4人に降りかかった出来事は、どこの誰にでも起こり得る。

観劇しながら、私自身も
果たして自分は、これから「産む」のか「産みたくても産めない」のか、
親の死を「受け容れようとする」のか「しない」のか、
考えを巡らせた。

2つのエピソードが交差する中で、4人の話もより説得力が増してくる。

お裁縫をしていた2人の立ち位置(仕掛け)も明らかになって、スッキリもする。

築野一の「泣いてないぜ」のセリフに、自分の父親や夫の姿が重なって、帰りしに少し泣けた。

6/24(日) 13時 シアターZOO

投稿者:ぷにょ丸(30代)

text by 招待企画ゲスト

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