AnemoiVenti「無邪鬼」をBLOCHにて。虐げられた弱い者たちが、グループの中の弱い者に牙を剥き、その結果逆襲を受けるという弱い者たちの物語。この物語にチラリとしか出てこなかったり、全く出てこない大元の原因となる人たちは彼らのことなど忘れて、楽しく過ごしているんだろうと思うとやるせない。
LGBTの話も出てくるけど、基本的に女性が性的に酷い目にあう場面が多い。無邪鬼誕生のきっかけを作った女性も酷い目にあい人生が狂っているし。ほぼ全員が不幸になる中、恐らく不幸という概念を持っていない無邪気な復讐鬼はやっぱり怖い。本人は復讐と思ってなさそうだけど。
劇中でコミカルなものとして出てくるミミズはプチプチと潰されてしまうし、虐げられた女性たちの復讐の陰惨さは観ていて自分が女性たちから責められているような気にもなってくる。描かれている話より現実は輪をかけて酷かったりするから、これでも甘いのかもしれないけど。
出演陣は適材適所。真面目なというか、この話の大元となる存在を演じた大和田さんの存在感はさすが。家族の中でも母と子にこだわった作りとなっているこの話の要的存在でした。
きつい話だけど、観て損はなかったというお芝居でした。
- 2018/05/26 14:00
- BLOCH
- 約1時間40分
text by 小針幸弘