「INDEPENDENT:SPR18」をコンカリーニョにて。大阪から2組、札幌組は4組(推薦2組、予選勝ち残り2組)の計6組が一人芝居で激突するイベント。今回の出演者は女性5人、男性1人で、しかも男性は無言劇だったので、女声演劇となった。大阪からの参戦者は評判通りでこれだけでも観る価値ありでした。
「もしも前夜」
予選から大きな変化は無かった。既に完成された話ではあるので、それでいいのかもしれないけど。変化させるとしたら、時代が進むとソフトのバージョンアップで声が変わるとかくらいしか想像できないものね。堅実に積み上げたというところか。
「デイブレイクガールフレンド」
予選からコメディ要素を抜き、主人公の心情の変化に絞った感じ。帽子掛け(?)が倒れるアクシデントがあったけど、台詞の途中だから対応が難しいところ。反応すると長台詞をその場で書き換える必要が出てきちゃうもんな。仕掛けも面白かった。
「猿蟹合戦」
そうかなと思って観ていたら、やっぱりそうだったという話。実際に調理しながらの芝居というのは大変だろうと思うのだけど、軽くこなしていたような印象。最初は可愛らしく見えていた人が、話が進むにつれ、だんだんと恐ろしくなってくる。ギャップ萌えの変形か。
「そっちは苦い川だから」
プレ公演と基本的な内容は変わっていないのに、面白さが増量していたような気がする。間とかちょっとした動きが違うんだろう。エピソードの省略などとは別の、はっきりとは気がつかない程度の変更なんだろうけど、さすがというところ。面白かった。
「プシュケ」
大阪からの参戦でこちらは男性で台詞なし。何かに支配された場所で、ロボットが支配者に隠れて子育てしているSFものと思って観ていたけど、正しいだろうか。舞台作品について、こう書くのは失礼なんだろうけど、映像作品のイメージが浮かんできました。
「さようならば、ばら」
大阪から参戦。前の芝居の余韻(というか匂い)を掴みに持ってきて、しゃべくり漫才のように話しまくるので、あっという間に話に引き込まれる。淀みない流れのような話を聞いているうちに、どんどん場面が変わって行き、笑って観ていたら……という話。
カーテンコールを含め、計算し尽くしているんだろうけど、そんな事を感じないくらい自然で、何も気にせずに話に没頭できた。柔らかに感じる関西の言葉の特性というのもあるのだろうけど、語りかけの力のようなものも感じた作品。凄かったなあ。
- 2018/06/24 14:00/17:00
- コンカリーニョ
text by 小針幸弘