劇団怪獣無法地帯「月見草珈琲店〜まてば甘露の日和あり〜」をことにパトスにて。大正時代を舞台にした、テレビで見た新喜劇のテイストの作り。ラジオが新しかった時代らしい描写が随所にあるのがいい感じ。マスターを筆頭にわかりやすいキャラ付けがされていて、見やすく楽しめる作品でした。
マスターは飄々としているけど、何かがあると頼れるし、周りの人達の会話から、底知れぬ力を持った人物に思える。いろんなことに嫌になって、引退して喫茶店を始めたといったあたりかな。まだまだ隠された能力がありそうな雰囲気がいい。
登場人物の一人が外国からの賓客と瓜二つで騒動に巻き込まれるというのは、ありがちな話なのかも知れないけど、うまくまとまっていた印象。対面場面では、どうするかと思ったら、民族衣装風のもので顔が見えない状態に。そりゃそうだよね。
霊が見えるという設定もコメディ要素と人情味溢れる話に回収していて、周りが変な能力ではなく、個性として尊重しているような様子。別の作品の前日譚という事だけど、この設定と世界の優しさは、確かに他のものも見たくなると思いました。
- 2018/06/30 14:00
- ことにパトス
text by 小針幸弘