高校演劇 独り言④『第68回高文連石狩支部 高校演劇発表大会』

日にちがあいてしまいましたが、とりあえず石狩支部の結果を。

最優秀(全道大会参加)は7校。

・札幌南陵『回転、または直進』

・新篠津高等養護『よだかの夢』

・札幌国際情報『ごはんの時間2ぃ』

・市立札幌平岸『P<fffff』

・市立札幌啓北商業『あゆみ』

・大麻『Cavatina』

・札幌山の手『生徒会室、四月一日』

 

続いて観たものの感想を。

※注意※

以下は「マサコさん」の主観であり、審査に関係するものではありません。その点、ご了承を。

 

●江別『おもちゃは箱を飛び出して』

おもちゃ箱に入っている人形が動き出して-という話。既成脚本なんだけど、「ゲーセンのUFOキャッチャーでゲットされたキョンシー」とか、時代を感じさせる設定(そもそも、今の高校生はキョンシーを知っているのだろうか)。

ピエロやキョンシーの衣装が作り込んでいた(ように見えた)一方で、ピエロとキョンシーって顔を白く塗った方がいいんじゃないかなと思ったり。

 

●市立札幌啓北商業『あゆみ』

ままごと柴幸男の戯曲(畑澤聖悟バージョン)。あゆみという1人の女性の一生を、数人の役者で演じていく話。素舞台で衣装、小道具もほぼ使わず60分。隣にいた50代くらいの男性が号泣していたのに驚く。

観ている以上に演じる側には苦労が伴う作品。冷静に振り返ると、見せ場はたくさんあるのに、あゆみ自身の死や母親の死にまつわる場面以外は単調だったかな。たんたんと進む(人生もたんたんと進む、と重なって見える)けれど、その中に緩急があっていいはず。

 

札幌市立開成中等教育、札幌平岡、札幌厚別、野幌、北海→断念

 

●大麻『Cavatina』

高校進学のため町を出て行った生徒と残った生徒とが、公民館(ホール?)で中学時代の恩師をしのぶ演奏会で再会する-というのが物語の軸。役者の、力の抜けた演技が自然で、大麻だなぁ、山崎先生だなぁ、と思わせる作品(わかる人はわかる表現)。

大麻に限らず「おばさん」役の口調や演技って、どこの演劇部も同じなのが気になる。語尾を伸ばして上げるとか、緩慢さを強調するとか。今の「おばさん」ってスタンガンのようにしゃべりまくりし、動きも素早い。おばさんって、高齢者って、子どもってこんな感じ-と頭で考えるよりも、演技のために身近な人を観察することも必要じゃないかなと、ふと思いました。

 

●札幌山の手『生徒会室、四月一日』

高校の生徒会室を舞台に、エイプリールフールの一日を描く話(既成脚本)。物語がテンポもよく、こっちも「山の手だなぁ」と思わせる作品。幕があがったら舞台上にタイトルが出ているとか、カーペットをまくり上げたら「Fin.」って書いているとか、細かい“技”までで光ってた。現状がどうなのかはわからないけれど、高校生って先生に期待しているものなのかしら。生徒たちが先生に思いをぶつけるシーン、その熱さにやや興ざめしてしまった(あくまでも個人的な感想です)。

あと、新任の先生が「私は昔からずっとこれで名前を覚えてもらっている」というギャグ。オードリー春日のギャグそのものなので、「この先生が小さいころって?」と思ったのは私だけか(生徒「それってオードリー春日のパクリじゃん?」、鬼瓦「春日よりも私が先駆けなのよ」とかせりふがあったら面白かったのに)。

 

観劇できなかったものもあるけれど、以上で後半戦終了。

text by マサコさん

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