前回の前半戦ひと言コメントの続き。
●札幌琴似工業定時制『G線上のエイリアン』
生徒顧問創作。演劇ならではのライブ感では、支部大会で一番いい。一方で、せりふより粗さの方が際立った場面が多かったのが惜しい。「あんなリアルな演技、どうやれば…」と絶句した高校生もいましたよ。
●恵庭南『亀山サイクロン』
顧問制作。中心となる2人(関口を含めると3人)の背景が描かれるけれど、いろんな情報が交差して惑う人もいたかも。亀山が抱えているものがうまく見えてきたら…。フジファブリックより花火の効果音で!
●千歳北陽『ゆめいろの翼』
顧問制作。顧問の先生からメールをいただいて、この物語の裏側を知る。高校生も先生たちも、現場は私が想像する以上に大変なのねとふと思いました。うわさでは、あのリコーダーは高価だそうで。
●札幌英藍『絶滅危惧部』
顧問制作。上演校の一覧を見て、最も心ひかれたタイトル。60分、素舞台で一人でやり遂げた精神力に拍手。せりふのテンポ、動きに変化を付けたら、物語にいいリズムが生まれそう。
以上、前半戦終了。
今回、「う~ん」と困ってしまったことがいくつかあります。具体的に2つ、書きます。
1.高校生以外の役(小学生とかオバサンとか)の演技が、どの学校もワンパターンなのが気になる。
高い声でやや舌っ足らずに話せば小学生っぽいのか、語尾を伸ばしてゆっくり話せばオバサンっぽくなるのか。自分の周りにいる小学生やオジサンオバサンって、そんな話し方してる?普段から人間観察したり、大人の演劇(札幌以外を推奨)を観たりして、自分と年齢差のある役をどう演じているかを考えるのも一手です。
2.大会は一発勝負なんです
私も講評でいろいろと話したけれど、他の先生たちからも「この場面がわかりにくかった」「この設定はどうなっているのか」などという声が聞こえてきました。審査って目の前で繰り広げられたもので判断しなければならず、後から「ここはこうだった」などと説明を受けても、「そうなのかもしれないけれど、あの時、私にはそうは見えなかったな~」としか返事ができません。それをクリアするには、既成でも創作でも、ギリギリまで脚本と向き合って、時には自分たちのために戦う(直す)ことも必要だと思っています。
演劇の難しいところは、説明し過ぎたらそれはそれでつまらないし、観客の想像に委ねすぎたら「あれは何だったんだ…」と観客が置いてけぼりにされてしまうこと。でも、そのバランスがうまくいけば、より多くの人の心を動かせる作品になるのでは-と考えています。
11月の全道大会も、観た作品について書く予定です。
text by マサコさん