原作のニュアンスや味を残しつつ、現代でも劇に感情移入できるような、いい脚本、演出だったと思います。また、おじいちゃんおばあちゃん、そして、亡くなった兄弟がいる世界にそのままいてしまおうかなと迷った心の葛藤など、役の心の揺らぎがとても上手に表現されていたのが良かったと思います。よく練習したんだろうなという感じも伝わりました。また、後半の流れや作り込みは非常に凝っていたのも高評価です。
ただ、こんな風に改善できていたら良いだろうなと思ってみていたところもいくつかありました。一番気になったところは、最初の方、セリフが早くて、長いので、何を言いたいのか、聞き取れないところがあることです。一人のキャストさんがというわけではなく、全体的にそんな感じがしました。緊張していたのですかね。それも人間らしいといえばそうなのですが。
また、前半に少しずつ布石を打っておきつつ、原作に沿ったストーリーを進めて、最後あぁ、そうだったのか、と思わせ泣くやら切ないやらの感情の嵐になり伏線を回収していくような面白い作りが良かったです。
ただ、前半の方は少し、単調で後半がメインだなとわかってしまう感じで退屈してしまったので、改善するとさらに良いと思いますよー。次も期待しております。
11/23 サンピアザ劇場
投稿者:ゆう(20代)
text by 招待企画ゲスト