アパートの一室でハーブを育てている女性と、その周りにいる人たちの話。舞台全体が一室になっており、場面転換などはありませんでした。まさに、誰かの日常をちょっとのぞき見しているような、そんな劇。小さな劇場だったため、一番後ろの列のお客さんでさえも舞台との距離は数mほど。演じている方の息遣い、振動、風がダイレクトにここまで運ばれてきました。
話によると、彼女は育ててはいけないハーブを誰かから依頼されて育てているようで…。やってはいけないことをいている罪悪感、頼んできた友達に対する友情、高額の報酬の間での葛藤、心の揺れが細かに描かれていました。かなりリアルで鳥肌が立ちました。また、大切な言葉は役者が役者に耳打ちをするなど、重要ワードがぼんやりとしているのでこちらの想像力も掻き立てられます。
タイトル「微熱ガーデン」の「ガーデン」はハーブなのでしょうか?だとすると「微熱」は…? と思いながら観劇を続けていると、劇の最後に”ハーブを育てる直前に主人公がう
きうきしている様子”が再現されます。もしかするとこれが「微熱」なのかな?
何かを決断する時は、一時の利益、高揚感は冷めるまで待ってからの方がいいようなと感じた作品でした。楽しかったです、ありがとうございました。
2018.12.8
シアターZOO
投稿者:投稿者:あやこ(20代)
text by ゲスト投稿