たとえばこれから、初めての「好き」に出会ったとして、  in the boxたとえば朝、一緒にご飯を食べるような、』

社会に出てから、嫌いなものを嫌いだと言えないことが嫌だという思いが強くなりました。学生時代には経験することのなかった「嫌い」がそれはもう強烈に私の前に現れたというのか、飛び込んできたというのか、その感情の輪郭がはっきりすればするほど、それを言葉にすること自体がしんどかったのです。当時はただただ口が重たくて、なぜこんなにも感情を出せないものか考えもしませんでしたが、「嫌い」でも「好き」でも、その気持ちが真剣であればあるほど言いにくいものなのかもしれない、なんて昨夜ぼんやり思い至りました。

歳を重ねれば重ねるほどに「嫌い」より「好き」の方が言いにくくなるように感じるのは気のせいですか。「好き」は無防備で、それはとても怖い。大人になると怖いものが多くなる、なんて20代の私が言ったら、人生の先輩方に叱られるでしょうか。

ただもしこれから、口に出しにくい「好き」に出会ったとしても、その気持ちには礼儀正しくありたいと、この舞台に触れて確かに私は思ったのでした。
 
 
12/13(木) 20:00 ターミナルプラザことにパトス

投稿者:投稿者:りょう(20代)

text by 招待企画ゲスト

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