良いものを見せていただいたという一言『ゴドーを待ちながら』

「ゴドーを待ちながら」をクリエイティブスタジオにて。

手塚治虫の「七色いんこ」で知っている程度の知識での観劇。はさみ舞台の舞台を渡って奥側の最前列で観た。花道みたいに見えたので、通り過ぎるだけかと思ったら、まさに目の前での演技があって、その迫力がすごかった。いいものを見せて頂いた。
内容は不条理劇というだけあって、よくわからなかったけど、特に休憩を挟んだ後半はかなり笑わせにかかっていたように思いました。奴隷とその主人は、滑稽なんだけど、労働者と資本家とみると奴隷が我が身を見ているようで笑えなくなる。後で色々考えたくなりそう。
二回目は手前側の最上段の端で、左側にひじ掛け(本来は違うけど)があるという観やすい席。話の展開がわかっている状態で観ていても、やっぱりわからないお話。キリスト教的な価値観が刷り込まれていたり、それが無くても教養があれば、もっといろいろとわかるのかもしれないけど、聖書もまともに読んでいない自分にはなかなか難しそう。西洋原作の観念的なものを理解するには、聖書の知識がある程度はなければと思いつつ、サボって全然読めていなかったのが災いした格好。
月が出るところで、照明の関係で壁に二か所影ができ、それが目のように見えてくる。実はゴドーはそこから見ているという事なのではないかという気もしてくるけど、気の回しすぎなんだろう。
終演後の木は、向こう正面から観た時は、緑色に光っていたような気がするけど、正面から観るとあまり光っていなかった。終わったけど木が生き生きと~とかかと思ったりもしていたのだけど、これも空回り。
少年が出てくるところで、光をまとっているというか、自ら光っているようにすら見えたけど、これはたぶん私の目の調子が悪いのと、ゴドーの使いを神の使者=天使みたいな変な思い込みがあったからそう見えたのかもしれません。
以上、この芝居を、師匠のアドバイスを待つ行き詰った漫才師ふたりと、そこに通りかかったコントのコンビの話と頭の中で変換しかねないやつの戯言でした。

  • 2018/12/17 19:00/12/24 14:00
  • クリエイティブスタジオ

text by 小針幸弘

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