年輪を感じる芝居 劇団新劇場『二人の長い影』

劇団新劇場「二人の長い影」をことにパトスにて
戦後58年経った日本で、敗戦後の朝鮮半島からの引揚げを振り返り、戦争で変わってしまった運命を描く。内容的には8月にテレビでよく放送されている戦争による悲劇のドラマ。現代パートの人物への伝わらなさとそれに対する嘆きも描かれている。
演じている方が劇中の登場人物に近い年齢(もちろん戦後58年時点での)なので、それだけで内容に説得力を感じる。引揚者の悲劇は、記事やテレビなんかで見聞きすることがあるけど、舞台で観ると迫り方が違う。別世界の人の話ではなく、自分と地続きの場にいる人の話なんだ。


再観。前回はBチームで、夫役が平泉成みたいだなと思って観ていたけど、今回のAチームの印象は少し恰幅のいい芦田伸介。孫役は綺麗系から可愛い系に変わったというところか。2人変わっただけだけど、全体の印象が少し明るくなったように感じました。

話の流れはもうわかっているので、聞き手の表情の変化なども気になってくる。もちろん舞台用にある程度大袈裟にやっている部分はあるだろうけど、列車での話とかは、孫役の方の笑顔が心からよかったと祝福しているように見えるだけに印象に残りました。いい作品でした。

 

  • 2019/07/27 19:00(Bチーム), 08/01 19:00(Aチーム)
  • ことにパトス

text by 小針幸弘

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