大阪強し 『INDEPENDENT:SPR19』

「INDEPENDENT:SPR19」をコンカリーニョにて。

ひとり芝居フェスということで、札幌から予選組2＋2の4、沖縄、大阪から各1の計6演目。作風も描いている内容もバラバラで、自分に合うものと合わないものがあったりするだろうけど、短編なので合わないものでも観ていられる。いろんな観劇体験が出来る空間。

パチンコ屋さんの店内アナウンスからはじまり、中学生時代の話になり、まさかのラスト。何があるんだろうと思わされ、その興味で最後まで飽きさせずに引っ張っていく。悪ガキ四人組の青春時代という、ベタかもしれないけど鉄板といってもいい話で、楽しかった。

山での遭難を回想する話。緊迫感というよりは、どこかのどかさを感じてしまうのは、生存者による回想話という全滅では無いことが担保された話からか、それとも語り口によるものか。ありがちかもしれないけど、まとめ方が気持ちいいんですよね。

引退する女子プロレスラーがテンカウントのゴングが響くなか人生を回想して……という話。冒頭の大和田さんの雰囲気が、まさにテレビなんかで見る悪役レスラー。記者会見の場面や、いろいろな職を転々とする様も雰囲気があってよかった。テープ舞うラストも好み。再演してくれないかなぁ。

思春期の女の子の葛藤をストレートに描いたような作品。なんというか少女マンガにありそうな話じゃないかと思う。これ性別が違ったら、別方向に暴走しそうな気がするけど、そう思ってしまうのは、私がおっさんだからだろう。

世にも奇妙な物語にありそうな話。平行世界の同じ人物同士の口論とか、訳が分からなくなりそうなところもあったけど、状況に困惑している人と状況を楽しんでいる人という正反対の人物を、敢えて背中を見せて声を中心に表現。意外と分かりやすく観られた。

駆け出し、中堅、ベテラン、大ベテランの芸人の主に楽屋での会話劇。それぞれの立ち位置で、いかにもと思える話ぶりで、飽きる暇を与えず、一気に最後まで持って行く。冒頭のコントをしっかり見せていることで、ラストを少しずつ笑いに持って行くのも見事。

事件があった時と、それを話している時のふたつの時間しかないように見えるけど、細かな不整合があるような気がして、そのうち4人の人物を演じているのではなく、実は1人の人物の4つの時代を切り貼りして組み合わせているようにも見えてきた。実際はどうなんだろう。