yhs「青春したい!」をコンカリーニョにて。
少年マンガでありそうな話の展開。yhsだとWORLD IS MINEと同系統というところ。バカバカしい事を大真面目にやりきる時に出てくる面白さ。当たり前かもしれないけど、分かっていてバカやっているんですという言い訳的なものが一切無しで観ていて気持ちよかった。
ふざけたネーミングや設定の技、そもそも部活自体が聞いた瞬間に「なんじゃこりゃ」となるものだけど、登場人物はそれがあるのが当たり前で、その道を極める事は正しいという姿勢で一貫しているというあたりはやはり少年マンガの作法。それに合わせたキャラや衣装などもいい感じで舞台を盛り上げていた。
青木玖璃子さんが先生役で、今回のキャラクターの中では比較的普通の人に近い役まわりでした。周りが普通の人が多い芝居の時は変な人の役をしている印象があるので、普段とは逆パターンということかもしれません。あとは「祝!健子(スココ)復活!」ということで。健子は南参さんのお気に入りキャラだったりするのかな。四谷美談にも出てくれないかなぁ(Twitterの場面とかで)とか無茶をな事を書いてみる。
再観。前回は最前列の真ん真ん中で観たので、今回は最後列での観劇。同じく真ん真ん中でしたけど。ダブルキャストで初日とは違うキャストでした。ひどい感想かもしれないけど、レフェリーが少女マンガ系から週刊ゴラク系に変わったような印象が。前日に何かやらかした(入退場のタイミングを間違えたとのこと)という事なので、少し期待した(これも我ながらひどい)けど今回はエレキさんが「先生さようなら」を言いながら退場するあたりで笑いかけたくらいで無難に終わりました。
格闘シーンはマンガでのバトルのパロディもあるけど迫力がある作りでした。ちょっと動きを間違えたらモロに入りそうだし、剣を受け損なったら台無しになる場面や、手を滑らせて落としたりしたら設定上リカバリが大変な場面もあり、そういった意味でも観ていてスリリングでした。やっている側は観ている側が思っている以上に大変そう。
誰かと対決をするような話だと、敵対する相手の魅力が無いと面白さが半減するものだけど、キャラクターの設定も、それを演じる役者も魅力的でした。主人公の父と子の話と、部員と相手の主将との兄弟の話が絡んで、少年マンガ的に感動的な仕上がりだった。
これが主人公が放浪して父親と対決していく映画とかのシリーズもので、その中の一本だとしたら、間違いなく今回は兄弟の話がメインだからそう見えるのかもしれないけど、私の中では主人公とぶつかることで変化が起きる相手の主将が影の主役でした。
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2019/09/12 19:30, 09/14 14:00
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コンカリーニョ
text by 小針幸弘