≡マサコさんの部屋 2020年、年始め企画≡   「ツアー公演先の宣伝ってどうするの?」 part1

 演劇を観に東京などに行くと、「札幌で公演してほしいなぁ」と思う劇団に出合う。仕事で演劇担当をしていた頃、道外の劇団の取材時に「札幌公演はやらないんですか?」という質問をすると、「お金がかかる」の次によく耳にしたのが「宣伝が難しい、集客が見込めない」だった。「有名な○○でさえ集客で失敗した」「札幌の人は知らない劇団を観に来ない」という声もあった。たしかにそういうこともあったし、いくら「面白い」とアピールしても集客は予想を下回ったという実情も目にした。その度に、どうしてそんなもったいない(観に来ない)ことをするのだろうと思ったのだけど、実際、その劇団や作品の面白さが伝わっていなかったのかもしれない。


2018年に3都市をまわった空宙空地のツアー公演
『轟音、つぶやくよう うたう、うたう彼女は』の一場面。
本作で「札幌演劇シーズン2020-冬」に参加する

 

  さて。「本拠地に加えて他地域でも作品を上演する」公演、いわゆるツアー公演の実施は、北海道から出て行くにも、北海道に来るのでも、海を越えなくてはならない点で大変だ。人や荷物を運ぶ費用もかかるし、「アウェー」で確実に成功する保証もない(特に札幌だと、上記のような理由もある)。それでも札幌に来るという人たちには、最大限の応援はしてきたつもりだ。しかしなんといっても劇団が自ら動いて宣伝することが重要なのだけど、地元劇団でさえ「ホーム」での宣伝活動にさえ惑う昨今だ(2019年10月14日に開催された「さっぽろ演劇AD MEETING」より。)。ツアー公演で来る・行く劇団はそもそもどこへどう宣伝したらいいか、どんな風に情報を広げるのが効果的か、わからなくても当然かもしれない。


2018年に札幌、大阪、東京で上演されたyhs20周年記念公演 其の弐/39th PLAY
『きつい旅だぜ』の一場面(高橋克己撮影)

  そこで今回、ツアー公演でどんな宣伝を行えば集客に繋がるのか、ツアー公演を行った劇団、劇団を支援する人、演劇プロデューサーと、様々な立場の人の協力を得てを考えてみることにした。全てが当てはまることはないかもしれないけれど、参考になることはたくさんあると思う。ツアー公演をやってみようかな、と思う人の背を、少しでも押すことができたら嬉しい。

(マサコさん)

 

>part2へ

text by マサコさん

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。