弦巻楽団 演技講座 水曜クラス『幽霊部員はここにいる』

弦巻楽団さん恒例の「秋の大文化祭!」の上演作品。同劇団の演技講座の発表公演を拝見するのも久しぶりですが、期待を裏切られない清洌な舞台は、いつも「いい時間を過ごした」という満足感があります。今回もそんな公演でした。

※ここまでで感想は終わり。以下はただの駄文です(えっ?笑)

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「役に生きる」って、どうやって作っていくんだろう。――今日はそんなことを久々に考えていました。
これは、誰が上手いとか下手だとかいうのではなく、同じ演者から発せられたセリフでも、ある場面ではそれが自然に相手とのキャッチボールになり、ある場面ではそれは相手に届かず、あまつさえ客席には「意味を持たないセリフの塊」にしか聞こえない。

例えば今作の場面でいうと「親しくなりたい同級生に向けて自己紹介をする」時と、「先輩に対してとある疑念を抱きながら、それを口にしないままに当面の問題を論じる」時ではかなり難易度も変わるんだろうなあと。もちろん、弦巻さんがそんな小器用さや現段階での完成度を求めているとは思っていませんが、自分の生活史にない事柄を自分のこととして喋ったり、自分のバックボーンにない感情を相手とやりとりするにはどうしたらいいのでしょうね、なんてことを帰りの道すがら考えていました。

相手とセリフのキャッチボールをするためには、相手の(役の)感情を理解する必要もありますよね……あ、だから弦巻さんはよくキャスト入れ替え上演とかをやるのかな。(今初めてそこに気づきました。笑)

異論はあるかも知れませんが、演劇以外にも、音楽に親しんだり書物に知を求めたり、映画を見たり絵を描いたり……エモーショナルな体験値を増やし、心を豊かにしていくことが意外と近道だったりするのかも知れませんね。これは観客側にも言えることで、芝居により親しむには、芝居ばかりを観ているのもよくありませんよ、と僕は思うので。

2021/11/27(土)19:00   サンピアザ劇場にて観劇

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<弦巻楽団 秋の大文化祭!>
弦巻楽団演技講座
水曜クラス『幽霊部員はここにいる』
脚本:田上二郎
演出・指導:弦巻啓太
出演:
長澤小春/宮脇桜桃/藤谷日菜/登坂萌恵/佐藤寧珠/秋山航也/井原陽菜/望月綾香/村瀬真奈
音響:村瀬真奈
照明:井上ほのか

text by 九十八坊(orb)

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